ソニーが最新の立体音響技術、ドルビーアトモスとDTS:Xに対応するホームシアター用サウンドバー(2機種)を6月9日に発売します。上位モデルの「HT-Z9F」とスタンダードクラスの「HT-X9000F」という製品です。価格はオープンですが、HT-Z9Fは80,000円前後、HT-X9000Fは60,000円前後で販売される見込みです。

  • ソニー、サウンドバー「HT-Z9F」

拡張性も高い上位モデル「HT-Z9F」

国内では4Kテレビの普及が進み、わが家で楽しむ4Kシアターがスタンダードになってきました。映像のクオリティが上がると、薄型テレビのサウンドが何だかモノ足りなく感じられるものです。だからこそいま、薄型テレビの足もとにもスリムに置けるバータイプのスピーカーと、ワイヤレスサブウーファーをセットにした手軽なサラウンド再生システムが人気を集めています。一般的に「サウンドバー」と呼ばれたりもしています。

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    ソニーのサウンドバー上位モデル「HT-Z9F」

ちまたでは、ホームシアターで映画館なみの立体的な音場感が楽しめるドルビーアトモス、DTS:Xという技術が注目されています。従来はディスクメディアを中心に提供されていたコンテンツが、最近ではNetflixやひかりTVなどインターネットによる動画配信サービスにもドルビーアトモスが広がって、一段と身近なものになりつつあります。

ところがサウンドバーにはドルビーアトモスやDTS:Xに対応している機種があまり多くなかったことから、ソニーは今回発表した2機種で一気にラインナップの強化を図ってきました。

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    サウンドバーのスピーカー構成は3.1チャンネル

上位のZ9FはドルビーアトモスやDTS:Xの立体音場再生に対応するだけでなく、ホームネットワーク経由、またはUSBによるハイレゾ音源の再生もカバーする用途の広いサウンドバーです。ドルビーアトモスやDTS:Xの醍醐味である「高さ方向の音」をリアルに再現する、ソニー独自のバーチャルサラウンド技術「バーティカルサラウンドエンジン」を搭載したことが本機の大きな魅力です。

バーティカルサラウンドエンジンは、あらゆるコンテンツに対して、高さ方向のサウンド成分を独自の演算によって加えられる技術。通常、ドルビーアトモスやDTS:Xのサウンドをマルチチャンネルスピーカーで再現するとなると、高さ方向の音を再現するためのトップスピーカーを配置するか、または天井に音を反射させて立体的な音場感をつくりだすイネーブルドスピーカーの導入が必要になります。Z9Fの場合、バーティカルサラウンドエンジンによってこれらの面倒なスピーカー設置がいらなくなるところに大きなメリットがあります。

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    背面のHDMI端子は入力2/出力1。4K/HDRパススルー出力に対応

本機を設置するときには、HDMIケーブルを使ってプレーヤー機器からの入力をサウンドバーに送り込み、テレビにパススルー出力するセッティングが一番手軽でオススメです。HDMI端子の数は入力2・出力1。Z9FはHDMI接続時に4K/HDR映像信号のパススルー出力ができるので便利です。

HDRはHDR10とDolby Visionの信号を含むコンテンツのパススルー出力にも対応しています。この機能がないと、プレーヤーとテレビの間にサウンドバーを挟んでセットアップしたときに、最適な画質でコンテンツを楽しむことができなくなるので注意が必要です。

CDリッピングや音楽配信系のコンテンツを聴くときには、DSEE HXのアップコンバート機能がハイレゾに迫るクオリティに音質を高めてくれます。グーグルのChromecast built-inやWork with Googleアシスタントにも対応しているので、もしGoogleアシスタントを搭載するスマートスピーカーがわが家にあれば、スマートスピーカーによる音声操作で検索・再生した音楽を、より高音質なサウンドバーで楽しむこともできます。

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    Z9Fのリモコン。バーティカルサラウンドのオン・オフを簡単に切り替えられます

Z9Fのスピーカー構成は3.1チャンネル。センターチャンネルを設けているので、特に人の声が明瞭に聴き取れるのが特長です。ワイヤレスサブウーファーもフラグシップモデルのHT-ST5000のサブウーファーに採用してきたパーツを継承して高音質化を図りました。

サウンドバーの奥行きサイズは突起部を除くと約99mm。10cmを切るサイズ感を実現したことで、テレビ前の足もとの限られたスペースを有効に活用できます。

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    Z9Fの専用リアスピーカー「SA-Z9R」

なお、Z9Fは別売の専用リアスピーカーを追加して、リアル5.1チャンネル環境にグレードアップができるシステムです。専用スピーカー「SA-Z9R」は6月9日発売。価格はオープンですが、ペアで35,000円前後の販売価格が見込まれています。Z9Fから送られる音声信号はワイヤレスで送信。電源ケーブルによる給電が必要になります。

スタンダードモデル「HT-X9000F」

  • ソニー、サウンドバー「HT-X9000F」
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    スタンダードモデルの「HT-X9000F」

もう一つのモデルが、6月9日に発売を予定している2.1ch対応のシアターバー「HT-X9000F」です。

最大の特徴はサウンドバーが2018年モデルのブラビア「X9000F」シリーズとデザインマッチを図ったこと。両サイドを斜めにカットしたデザインとして、55型・49型のBRAVIA「X9000F」シリーズのテレビスタントの足もとにスッキリと置けます。

  • ソニー、サウンドバー「HT-X9000F」
  • ソニー、サウンドバー「HT-X9000F」

    両サイドを斜めにカットしたデザインとして、ブラビアX900Fシリーズとのデザインマッチを図っています

HDMI端子は入力1・出力1の組み合わせ。加えて4K/HDRのHDMIパススルー出力も可能になります。Z9Fの方が上位モデルなので、X9000Fにはハイレゾ再生やグーグルのChromecast builit-in/Work with Googleアシスタントの機能が省かれています。

どちらのサウンドバーもテレビがソニーのブラビアじゃなくても快適に楽しむことができるのでご安心を。コスパの高さも実感できると思います。