シンガポール航空は5月3日、新型のボーイング787-10での運航をシンガポール=大阪線で開始した。ボーイング787-10の定期運航は世界初。同路線では、今回のSQ618便/619便に続き、SQ622便/623便も5月16日からボーイング787-10に変更となる。また、成田線には5月18日から1日2便のうちの1便(SQ637便/638便)がボーイング787-10となり、中部線と福岡線にも2018年度中の導入を予定している。
5月18日からは成田線にも導入
ボーイング787-10は最新鋭の787シリーズにおける胴長型で、先の3月末に初号機がシンガポール航空に世界で初めて引き渡された。シンガポール航空ではボーイング787-10を世界の航空会社で最も多い49機を確定発注しており、5月から大阪線、その後、成田線やオーストラリア・パース線への投入を予定している。
シート構成は、ビジネスクラス36席、エコノミークラス301席の2クラス制337席。プレミアムエコノミーは導入されていない。
ビジネスクラスでは中距離線もフルフラットベッドに
ビジネスクラスは、ステリア・エアロスペース社製のシートで、これまで運航していたエアバスA330の2-2-2から1-2-1のスタッガード配列となる。中距離路線向けの仕様ながら、リクライニング時には76インチ(約193cm)のフルフラットベッドになり、ゆっくり休むことができる。18インチのフルHDタッチスクリーンモニターでは1,000以上もの最新の映画などが楽しめる。全席から通路へのアクセスが可能も便利。
また、アームレストを上げ下げして収納できることで座席幅を最大26インチ確保。並びの2席では中央にある仕切りが調整でき、1人もしくはカップルでの旅行など利用用途で使い方を選べる。手回り品などの収納スペースも多く、大きめのミラーまで装備されている。
エコノミークラスも最新シート、機内Wi-Fiも利用可能
一方、エコノミークラスのシートはレカロ社製で3-3-3配列。シートは6段階で調整でき、ヘッドレストは折りたたみ可能となっている。11.6インチのフルHD画面のタッチスクリーンモニターは他社のエコノミークラスと比べても大きく、ビジネスクラスと同様に1,000を超える映画などのプログラムを視聴でき、日本語にも対応する。
小物などの収納スペース、コートフック、USBポート、シート内蔵電源も装備する。以前のシートにはあったフットレストをなくすことで、座席下のスペースが広くなったのも特徴だ。さらに、機内ではパナソニックのグローバル・コミュニケーション・サービスがサポートする機内Wi-Fiも利用できる。
大阪発の初便は満席
就航当日の5月3日、大阪・関西空港ではSQ619便の出発を前に就航記念式典が出発ゲート前で行われた。
式典では、シンガポール航空のマック・スゥイー ワー副社長(エグゼクティブバイスプレジデント)が挨拶。今年がシンガポール航空の日本就航50周年にあたる記念すべき年であること、世界最初の就航地が大阪になったことについては、昨今の訪日人気や2019年G20サミットの開催地、2025年の万博候補地でもあることに触れ、重要な市場であることなどを理由に挙げた。
その後、関係者による鏡開きや「新井風味」による和装ダンスパフォーマンス、帝塚山高校の生徒による演奏なども行われ、世界初就航を大いに盛り上げていた。搭乗時にはシンガポール航空からの記念品などが乗客に配布された。
SQ619便は満席の乗客を乗せ、定刻10時55分から10分遅れの11時5分に41番スポットをブロックアウト。大勢の関係者が手を振って見送る中、シンガポールに向けて離陸していった。