小学生のスマホ普及率も高まる昨今。親はいつでも連絡が取れる安心感が得られ、子どもはゲームや動画を楽しんだり大人の気分を味わえたりすることに喜びを感じる。しかし一方で、ネット依存やSNSいじめのリスクも高まる。スマホトラブルから子どもを守るには、どうすればいいのか。子どものスマホ管理術について携帯ジャーナリストの石川温氏に話を聞いた。
スマホを与える前に家庭のルールを作る
子どもをスマホのトラブルから守るには、家庭でのルール作りが重要だ。「○時~○時以外は使わない」「スマホを使うのはリビングで」「動画は自宅以外で見ない」「約束を守れないときには○○をする」……など、子どもの年齢に合わせて細かくルールを決めておくといいそうだ。それらは「誓約書」として形に残し、目立つところに貼っておくのもよい。
「本来は学校やクラス単位で時間を設定し、それ以降使わせない設定にしておくなどが理想」とのこと。難しければ仲のよい友達の親同士だけでも認識を合わせられるといいだろう。
スマホは与えっぱなしではなく、定期的に利用状況をチェックすることが肝心だ。親がチェックすることに子どもが文句を言わないよう、チェックすることもあらかじめ誓約書に書いておこう。「どんなページを見ているのか、LINEで誰とつながっているかなどをチェック。好奇心から怪しいページを見ていることもあるかもしれませんが、深みにはまらないうちに呼び戻してほしい」と石川氏。チェックの頻度や曜日を決めると、直前にウェブの閲覧履歴を削除するようなこともあるので、抜き打ちチェックがオススメとのこと。
フィルタリングやアプリ設定でトラブル防止
スマホでできることはいくらでもあるから、子どもが使える機能は事前にきっちり制限しておくことが重要だ。アプリは必要最低限のものに絞り、子どもが勝手にアプリのインストールやアプリ内課金をできないようにしておく。また、動画閲覧は自宅のWi-Fi環境下に限定するなど、利用料金が高額になるのを防ぐことも重要だ。
2018年2月に「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が改正されたことにより、現在は18歳未満の子どもにスマートフォンや携帯電話を持たせる場合、フィルタリングの設定が義務化されている。それ以前に契約し、フィルタリング設定をしていない場合は、この機会に設定しておきたい。
大手携帯会社からは「あんしんフィルター」という無料アプリが提供されている。小学生・中学生・高校生など年齢・成長段階に合わせてゲームやSNS、出会い系などに制限をかけたり、利用時間の管理や利用状況のチェックができたりする。「ただ、フィルターアプリを経由しないで直接アプリを使うとフィルター機能が働かないなど、使い方には抜け道もある」と石川氏。ちゃんとアプリを使っているかも含め利用状況チェックは必須だ。
子どものスマホはどれがオススメ?
最近は子ども向けスマホの種類も増えているが、新規に買い与える以外には親が使っていたスマホのお下がりを渡すのも一案とのこと。「機種代がかからないし、操作や設定方法をよくわかっているから、使用状況もチェックしやすい。中古だから万が一子どもが壊してもあまりイラッとしなくて済む」と石川氏は話す。
スマホは子どもの方がすぐに使い方を覚えるし、子どもたちの間では抜け道のような使い方情報は伝わりやすい。「親がよくわからない」ままでは子どもの勝手な利用を助長してしまう。新規に買い与えたら、親も使い方をマスターしておく必要がある。
子どもにスマホを与えたら、親の方も意識を高めることが大事。同時に子どもの様子をよく観察し、トラブルの兆候を見逃さないようにしよう。
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