世の中はGW。その一方で、リア充写真で埋め尽くされたSNSを見ながら、今日も出勤している人もいるだろう。でも大丈夫! 旅行に行かなくても、仕事上がりの時間でも、特別なひとときを過ごせるビールフェス「クラフトビール新酒解禁祭り2018」が、4月28日~5月6日連続9日間で開催中だ。
"今"を象徴する新作・限定ビールが30種類以上
"2018"とついていると、「毎年やっているビールフェスなのかな」と思ってしまうかもしれないが、実は今回が初開催のイベントだ。会場は高田馬場駅から歩いて5~7分程度のところにある「ベルサール高田馬場」(東京都新宿区)。新宿駅からも2駅ゆえに、「新宿→NR(ノーリターン)」となんてこともできなくはない。
また、"新酒"と言われると、ワインや日本酒をイメージする人も多いのではないだろうか。某ブルワリー(ビール醸造所)の方にうかがったところ、ビールにおける新酒は特にいつからいつまでに造られたものという定義はなく、単純に「できたてのビール」を指すことが多いようで、その味わいやアルコール度数は様々とのこと。
今回のイベントにおける"新酒"の定義は、レギュラービールとは違うエッジの効いた新作・限定ビールであり、ブルワリーの個性がより強く出て"今"を象徴するビールたちが、このイベントで解禁されている。それゆえに、コンセプトはもちろん、その味わいや色に、今までのビールの概念が覆されるという体験にもなることだろう。そんな新酒が30種類以上、レギュラービールは120種類以上がずらりと会場に並んでいる。
1杯集中も飲み比べもOK
実際に訪れたのは、GW3日目の4月30日。全43ブースがそろうメイン会場の大ホールいっぱいに飲食スペースが設けられているものの、昼過ぎには空席を探すのも難しい状態に。この日は祝日ということもあって、家族連れの姿も多いように見受けられた。
イベントは入場無料で、会場内に設置された販売機で100円単位のチケットを購入し、それぞれのブースではチケットで清算するスタイルとなっている(ブースによってはクレジットカード・交通系ICカードも対応)。ちなみに、5月1~2日は1,100円分が1,000円になる平日割引を実施する。
ビールは1杯500円~のほか、選べる飲み比べセットは4種類で1,000円なども展開されているので、「とりあえずたくさんの種類が飲みたい! 」という人は、人数をそろえて訪れることをオススメしたい。
ブルワリーは東京など関東からのブルワリーが多いが、北海道や宮城、新潟、長野、岡山など様々な地域のブルワリーがそろう。ほかにも、フランスやカナダなど世界のビールや、ワインを無料試飲できるブース、また、数は少ないがソフトドリンクを提供しているブースもある。
それぞれのブースの目立つところに新酒と記されたメニューが掲げられており、どれが特別な一杯なのかはすぐ分かるようになっている。しかし、その新酒だけを選んだとしても、その数30種類以上となるため、制覇するのはまず無理だろう。会場マップを見ながらお目当てのビールにまっしぐら、でもいいが、せっかくの機会だ。「どんなビールですか」などと、ブルワリーの方と会話しながら選んでみるのも一興だ。
新酒の中でも特に貴重な1杯が、このイベントのためにクラフトビール東京と高田馬場ビール工房に協力してもらいながら、800杯限定で醸造した「BABA IPA」(1杯500円)。江戸東京野菜認定の「内藤とうがらし」と四川山椒を使用したIPAで、その辛さは後からじわじわやってくる。辛さの中で四川山椒がふわりと香り、「あれ、今ビールだけ飲んでいるんだっけ?」などと、ちょっと不思議な感覚に。事前販売はすでに完売しているが、当日も若干数、40ブースにて販売している。
新酒はそのほかにも、チェリーの酸味が生きたすっきりとした甘さの「スプリングサワーチェリー」(ティー・ワイ・ハーバーブルワリー/東京)や、フレンチエールイーストとシャンパンイーストで発酵させフランスのAramisホップを使用したというフレンチ香る「フレンチホワイトエール」(独歩ビール/岡山)、4人の泥棒の酢のハーブをピルスナーに漬け込んだ「4人のドロボウ」(EBINA BEER/神奈川)、新酒解禁祭り限定で販売するたっぷり果実3種類(リンゴ・ブドウ・カシス)のフルーツエール「フルーツ3mixエール(リンゴ・ぶどう・カシス)」(信州須坂フルーツエール/長野)など、つい「新しいわ~」と言ってしまいたくなるような個性豊かなビールがそろっている。
ビールが進みすぎるグルメも盛りだくさん
もちろん、ビールに合う料理も待っている。特に肉料理が充実しているため、ビールは少しで料理をしっかり味わう、という楽しみ方もありだ。厚切りのベーコンや焼き餃子、ジャガイモにたっぷりのチーズがかかった「ラクレット 全部盛り」(1,000円)は、同じブースで展開しているもりやま園の新酒「テキカカシードル」との相性も考えた一品。もちろん、ビールにも合うことは言うまでもない。
その他のブースでも、「グリルチキンステーキ」(ハーフ400円/1枚700円)や、「生フランクフルト」(500円)、「トムヤムチキン」(600円/パクチー入りは+100円)など、目移りしてしまうものばかり。肉以外にも、「ムール貝の鳴子ビール蒸し」(M400円/L700円)や「ゆでアスパラ」(500円)のほか、「けずりいちご」(500円)や「ジェラート バニラ」(200円)などのスイーツもある。
また、会場は屋内の大ホールの他にも、ベルサール高田馬場の芝生広場に設けられた屋外スペースもある。大ホールで購入したものは大ホール外への持ち出しはできないようになっているが、芝生広場にもクラフトビールを提供するブースが出店している。パーフェクトビアキッチン利用者には、レジャーシートを無料で貸し出しているので、芝生の上で身体を伸ばしながら、のんびりとした時間をここで過ごすのもいいだろう。
「クラフトビール新酒解禁祭り」は4月28日~5月6日の各日11:00~21:00開催(5月6日は18:00まで、L.O.は終了時間の30分前)。芝生広場は18:00までで、雨天中止となる。会場内では、日本ビール検定(5月1,2日18:00~18:30)や、クラフトビール新酒解禁祭りコン(街コン、5月2~5日)などのイベントも実施している。「ちょっと行ってみようかな」という人は一度、オフィシャルサイトをチェックしてみよう。
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