説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『コンパスアプリの「真北」ってどういう意味?』という質問に答えます。
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iPhone/iOSに付属のアプリ『コンパス』には、設定画面が用意されています。『設定』→「コンパス」の順に画面を開くと表示される「真北を使用」スイッチは、初期設定では無効(スイッチが白い状態)ですが、有効にすることでコンパスの示す方角に若干変化が現れます。
そもそもの話になりますが、初期設定状態のコンパスが指す北は"正確な北"ではありません。これはコンパスアプリに限った話ではなく、軽く浮かせた磁石で方位を知る(物理的に存在する)コンパスも同様です。コンパスが示す北は、磁石が指す北(磁北)であり、北極星を基準とする「真北」と比較すると若干ずれているのです。なお、真北は"まきた"ではなく"しんぽく"と読みます。
東京を基準とした場合、磁北と真北のずれは約7度です。このずれは偏角と呼ばれ、国土地理院は2010年以降5年おきに電子データを公開しています。最新版は「磁気図2015.0年値」で、偏角を地図で表したPDF(リンク)を見ると、東京では約7度の偏角があることがわかります。
実際、「真北を使用」スイッチを有効にすると、とたんに『コンパス』アプリの示す北が約7度変化します。使いかたはまったく同じですが、「北」が変わるということです。
なにやら難しい話になりましたが、要は「iPhoneのコンパスアプリには偏角を踏まえて真北を指し示す機能がある」ということです。方角のチェックは初期設定の磁北でじゅうぶん役立ちますが、測量など建築設計を目的とする場合には真北を利用したほうがいいでしょう。風水占いとか方違え(かたたがえ)にこだわる人にとっても、重要なことかもしれませんよ?