NTTドコモは4月27日、2018年3月期の決算発表を行いました。それによれば、2017年度通期の営業収益は47,694億円(対前年度+4.0%)、営業利益は9,733億円(同+3.0%)の増収増益。登壇したNTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏はプレゼンの中で、5月にスタートする新料金プランについて説明しました。
新料金プランの概要 - 0~1GBで月2,900円
ドコモでは、パケットの利用が少ないユーザーに向けた「ベーシックパック」「ベーシックシェアパック」を5月25日より提供開始します。その特徴は、利用したデータ量に応じて4段階の定額制料金が自動適用されること。
階段型の料金プランで、例えばベーシックパックであれば、パケット利用量が0~1GB(ステップ1)だった月は2,900円、1GB~3GB(ステップ2)なら4,000円、3GB~5GB(ステップ3)なら5,000円、5GB~20GB(ステップ4)なら7,000円となります(価格はすべて税抜き、以下同)。
吉澤社長は「無駄なくパケットをお使いいただけることに加えて、4段階の定額制にしたので、これまで以上にお得な料金になる。今後、この新料金プランに1本化していく」と説明しました。
現行の「シェアパック5/10/15」「ビジネスシェアパック5/10/15」「データSパック」「データMパック」は、5月24日をもって新規申し込み受付を終了する予定です(契約中のユーザーは継続利用が可能)。
新料金プラン導入の狙いは?
質疑応答では、記者団から新料金プランについての質問が相次ぎました。引き続き吉澤社長が回答したほか、収益に関わる部分については同社 取締役常務執行役員 財務部長の佐藤啓孝氏が回答しています。
ベーシックパック、ベーシックシェアパックを導入する狙いについて質問されると、吉澤社長は「パケット利用の少ないお客さんには、これまで2GBのデータSパックなどを提供してきた。でも、もっと使わないお客さんもおいでになる。総務省の検討会でも、できるだけ利用者に最適なプランの提供を呼びかけていた。そういった背景があり、導入に踏み込んだ」と説明。
さらなる理由として「利用動向を分析してみると、パケット利用の少ないお客さんのポートアウトが多くなる兆候が見られた。顧客基盤を強化する狙いもある」とも答えました。2GB未満の安いプランで契約したいために他社に乗り換えてしまう、そんなユーザーを繋ぎ止めたい意図があるようです。
ベーシックパックにおいて、ステップ4は5GBから20GBと幅が広くなっています。この理由について問われると、吉澤社長は「現行のプランではデータSが2GB、データMが5GBで、その上がウルトラデータLの20GBになっており、これに合わせた」と回答しました。
新料金プランの提供により、収益にはどのくらいの影響が見込まれるか。これについて、佐藤氏は「約300億円程度の減収影響があると見込んでいる。それも時間が経てば回復して、やがてプラスに転じると考えている」としました。