4月24日、レノボ・ジャパンはグーグルの仮想現実(VR)プラットフォーム「Daydream」に対応したヘッドセットやカメラの新製品を発表した。
頭部に装着して没入感を楽しむVRは、対応製品が増えているとはいえ、普及は進んでいない。「今年こそVR元年」と言われながら何年も抜け出せていないことを、レノボ自身も認めている。果たしてレノボの新製品はこの状況をどのように打開するのか。
VRに足りなかった「簡単さ」と「リアルさ」を両立
VRの普及に向けてレノボが重要と考えるのが、「簡単さ」「リアルさ」そして「コンテンツの充実」の3点だという。
まずは「簡単さ」だ。新製品のVRヘッドセット「Mirage Solo」の大きな特徴は、PCやスマートフォンを必要としない「スタンドアロン型」である点だ。Daydream対応品としては世界初だという。
これまでVRといえば、スマホをヘッドセットに装着して楽しむスマホVRか、高性能なPCにつなげる本格的なVRがほとんどを占めてきた。だがMirage Soloは画面やCPU、メモリーなどをすべて内蔵しているため、頭にかぶるだけでいつでもVRを楽しめるというわけだ。
次に「リアルさ」の点では、グーグルのモーショントラッキング技術「WorldSense」に対応した。これは装着者の前後左右の移動や、しゃがむ、ジャンプするなど、6自由度(6DoF)と呼ばれる動きを認識できる技術になる。
このWorldSenseに対応したコンテンツなら、VRの世界を歩き回るような、没入感の高い体験を得られる。発表会では、対応コンテンツとしてグリーの「釣りスタVR」やスクエア・エニックスの「プロジェクトHikari」が紹介された。
こうしたトラッキング技術は外部センサーを用いたVRでは実現していたが、PCを含め2〜30万円の投資が必要だった。だがMirage Soloなら5万円台で購入できる本体だけでそれに近い体験を得られる。簡単さとリアルさを両立しようというのがMirage Soloの狙いといえる。