多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『「プレビューアプリ」って何ですか?』という質問に答えます。

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Androidでいうところのプレビューアプリとは「Android Instant apps」のことで、インストールなしに一部機能を利用できるアプリを指します。Android 8.0(Oreo)からサポートされ、Google Playストア経由で配布される一部のアプリでのみ利用できます。

Android Instant appsのメリットは、その手軽さにあります。Google Playアプリでダウンロード/インストールする作業を行うことなく、検索エンジンの結果などからアプリの機能を試すところまで進めますから、アプリ導入のハードルが下がります。インストールするためにタップを繰り返すことも、ダウンロードに伴う待ち時間の発生もありません。使い終われば自動消去されるため、アンインストール(削除)の作業は不要です。

アプリ開発者の立場からしても、既存のアプリをモジュール化する程度でInstant appsに対応できるため、手間をかけずに"お試しアプリ"を用意できることになります。ユーザーが気に入った段階で正式なインストールに進んでもらうこともできますから、"試したがよくわからなかった"のような開発者/ユーザの双方に不利益なレビューも減ることでしょう。ゲームアプリのようにいちど経験してもらうことが重要なアプリほど、今後Instant apps対応が進むのではないでしょうか。

なお、iOS 11.3のSafariに採用された「Progressive Web App(PWA)」は、Instant appsとよく似た機能を備えています。PWAがWEB標準の技術(HTML5)を利用することに対し、Instant appsはAndroidの技術をベースにするなど相違点はあるものの、目的はよく似ています。今後のアプリのありかたを変えうる技術として注目しましょう。

  • 「Android Instant apps」はプレビューアプリとも呼ばれます