シャープは4月20日、イタリア・ローマで開催されたIFA Global Press Conference (IFA GPC) にて、欧州向けの8Kテレビモニター「LV-70X500E」を発表しました。欧州市場においては初の8Kモニター製品となるもので、想定価格は11,199ユーロ。4月末に発売する予定です。
昨年12月に東証一部への復帰を果たしたシャープが欧州に復活の狼煙、いや煙なんてショボいものではなく大きな花火を解像度高く打ち上げました。IFA GPCは、メッセ・ベルリンが例年9月に開催する世界最大級の家電製品ショー「IFA」に先立って、世界各国のメディア関係者にその概要を説明するイベント。そこで、8Kモニター「LV-70X500E」の発売を明らかにしたのです。
LV-70X500Eは70型の大画面に解像度7,680×4,320ドットの映像を表示する、欧州では初となる8K対応製品です。IFA GPCの壇上に立ったシャープのSascha Lange氏は、まるで3Dグラスをかけたかのうような奥行きの表現とリアリティ、これこそが8K製品の長所であるとアピールしました。
さて、日本においては「AQUOS 8K」のブランド名で「LC-70X500」がすでに発売されていますが、LV-70X500Eもパネルの仕様はそれと同じ。ただし、LC-70X500がチューナーを内蔵した「テレビ」であるのに対し、LV-70X500Eはチューナーを非搭載とした「モニター」製品として発売されます。
欧州では8K放送がどうなるか固まっておらず、その状況下でいち早く製品を投入するために、チューナーレスにしたとのこと (LV-70X500のチューナーも4K/8K対応ではないことは、ここであえて突っ込みません)。つまり、フライング上等、勇み足上等、とにかく8K一番乗りしたるわ! という前のめりな戦略なのです。まさに「SHARP IS BACK」。そのアグレッシブな姿勢を応援せずにはいられません。
コンテンツに関しては、当面2Kや4K映像をアップスケーリングしたり、YouTubeの8K映像を見ることが中心となりますが、魅力的な8Kコンテンツがないのに製品を投入するほどシャープは無謀ではありません。この6月、フランス・テレヴィジオン (france.tv) がテニスの全仏オープンを8Kで中継放送することを決定しました。よかったですね、欧州富裕層のみなさん。