ドイツのフォルクスワーゲンは23日、電気自動車のスーパースポーツカー「I.D. R パイクスピーク」の詳細を発表した。最高出力 500kW(680PS)の電気モーターを搭載し、車両重量は1,100kg以下に抑えられている。
同モデルは、6月24日に米国コロラドスプリングズで開催されるパイクスピークインターナショナル ヒルクライムに挑戦するために開発された。エネルギー容量と重量の理想的なバランスを追求した設計となっており、1985~1987年にパイクスピークに挑戦したツインエンジン搭載のゴルフと同様に、同モデルは2つの電気モーターを搭載している。
2つの電気モーターによる最高出力は500kW(680PS)。バッテリーは生産型の電気自動車と同じようにリチウムイオンバッテリーを使用するが、その性能は航続距離を伸ばすためではなく、パイクスピークの頂上を目指すために可能な限り最大の出力を発生するように最適化されている。また、必要とされる電気エネルギーの約20%は走行中の回生ブレーキによって生み出される。
パイクスピークのコースは標高2,862mにスタート地点があり、さらに1,440m高い標高にあるゴールを目指す。全長19.99kmのコースに156ものコーナーがある難コースだ。これまでの電気自動車による記録は8分57秒118で、同モデルはこれを破ることを目標としている。ドライバーはパイクスピークで3回、ル・マン24時間レースで2回の優勝経験があるロマン・デュマ選手。