JR北海道は「砂原線」と通称される渡島砂原駅経由の函館本線大沼~森間に設定している徐行運転区間について、4月24日から区間を拡大した。これにともない、同区間を走行する列車にも遅れが発生する。
「砂原線」ではこれまで、線路の路盤が弱いことを理由に、渡島沼尻~渡島砂原間など3カ所、距離にして約5.4kmの区間で60km/h以下の徐行運転を実施してきた。しかし4月11日に実施した軌道検測により、雪解け以降の急激な気温上昇にともない線路状態が悪化していることが判明。4月24日12時40分から当分の間、銚子口~掛澗間の約19.6kmの区間において、特急・普通列車ともに時速45km以下での徐行運転を行うことを決めた。
徐行運転区間の拡大により、特急「スーパー北斗」一部列車などで数分程度、普通列車は最大30分程度の遅延が生じる見込みとなった。
JR北海道は今回の発表の中で、「当該区間は、貨物列車の輸送割合も大きいことなどから、線路状態を良好に維持することが困難な状態となっております」と説明。整備基準値に達したものについては測定から15日以内に整備することになっているものの、「箇所数が多いため時間を要している」とした。整備基準値に達してもただちに運転規制値に達するわけではないが、軌道変位がこれ以上進行するのを抑えるために徐行運転区間を拡大するとし、今回の決定に理解を求めている。