カシオ計算機は国内外に生産拠点を構えており、国内でプレミアム系の時計などを生産しているのが、山形県東根市にある山形カシオの工場だ。2018年4月24日に、2017年7月に着工した時計専用の新工場が竣工。2018年5月から量産を開始する。
新工場では、時計の生産効率を高めるために、これまで別々の建屋で行っていた部品製造と完成品の製造を集約。微細な歯車などの基幹部品から、時計としての完成品までを、一貫して生産するようになった。これにより、高い組み立て精度と品質を実現できるとしている。
基幹部品はミクロン単位の精度で製造し、それらを用いたアナログ時計のムーブメントも生産していく。新工場で生産された部品やムーブメントは、新工場で時計の完成品として組み立てられるだけでなく、中国やタイといったカシオの海外生産拠点にも供給する。
カシオ計算機は、「後もグローバルな生産体制のマザー工場である山形カシオと連携し、エンジニアリングチェーン(開発・設計・生産)における3次元設計データの活用、IoT、AI、ロボットなどの先進技術の導入を進め、より品質の高い製品を安定して提供していく」と述べている。新工場の延床面積は約4,000平米、最大生産能力(理論値)は月産16,000個、投資額は約20億円。
ちなみに、山形カシオの時計工場でプレミアム系の時計を組み立てるラインは、「Premium Production Line」と名付けられている。高いスキルを持つ技能認定者のみが携わり、耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」のプレミアムモデル、アウトドアウオッチ「PRO TREK」のプレミアムモデル、および高機能アナログメタルウオッチ「OCEANUS」などを組み立てている。