クレジットカードには必ず有効期限があります。有効期限はどのように決まり、有効期限が切れた後の支払いはどうなってしまうのでしょうか? 今回は、クレジットカードの有効期限や更新の仕方についてお伝えします。
クレジットカードの有効期限はいつまで?
クレジットカードの有効期限は、カードの発行時にカード会社が設定します。一般的には5年前後に設定されるケースが多いようですが、"一律何年"といった規則はないようです。カードの種類や審査結果によっても異なると考えられます。
設定された有効期限は、カードの表面に記載されます。「05/18」のように2桁の数字が2セット並んでおり、左側の2桁が「月」、右側の2桁が西暦の「年」を表します。たとえば「05/18」なら、2018年5月が有効期限です。この表記方法は世界共通です。
有効期限が来たらカードはどうなる? 更新は必要?
有効期限を過ぎたカードは使えなくなります。引き続き使うためには、カードの更新が必要です。
とはいえ、更新のために自分での手続きは原則として必要ありません。一般的には有効期限の2カ月前までに、契約者側から解約する旨の申し出がなく、それまでの利用状況に頻繁な延滞などの問題がないときは、カード会社が新しいカードを自動的に発行します。
カードが更新されても、基本的にカード番号は変わりません(カードを紛失して再発行するなど、解約扱いになる場合を除く)。変わるのはおもに有効期限とセキュリティコードです。
セキュリティコードとはネットショッピングなどのオンライン決済の際に使う番号のことで、通常は3桁の数字です。カードの裏面、署名欄の右側に記載されています。
新しい有効期限は、更新前のカードと同じ年数に設定されることが多いですが、それまでの支払い代金が期日通りに引き落とせていたなど利用状況が良いと、従前よりも長く設定されることがあるようです。
新しいカードはおおむね、有効期限を迎える2カ月前から1カ月前には登録している住所宛に発送されるようです。ただし、宛先不明でカード会社が発送したカードが届かない場合などは、新しいカードを手にすることができません。有効期限を迎えても新しいカードが届かないときには、カード会社に状況を確認してみましょう。
有効期限が切れるタイミングで海外出張や留学を控えているときなど、早めに新しいカードがほしいときには、3カ月前から更新したカードを発行してもらえることもあります。契約しているカード会社に相談してみるといいかもしれませんね。
カード会社や利用状況によっては、更新の前に「事前調査票」のような書類が届くことがあります。これは新しいカードに更新するうえで、契約者の支払い能力に問題がないかどうかを、カード会社が確認するための書類です。
期日までにこの書類を返送しないと、カードを更新できない恐れがありますので、もし受け取ったら早めに回答しましょう。
また、カード代金の支払い状況によっては、更新後にカードの利用枠(利用可能額)が増額、減額されることもあります。
有効期限が切れたら公共料金などの支払いはどうなる?
有効期限が切れたカードは当然ながら、お買い物の支払いでは使えなくなります。なお、有効期限前でも更新されたカードが手元に届けば、その時点から新しいカードを使うことができます。新しいカードを一度でも使うと、有効期限前であっても古いカードは使えなくなることが多いです。
一方で、電気・ガス・水道など、公共料金や携帯電話の通信料、保険料のように、定期的な支払いへのカード払いの設定については、これらのサービス提供会社宛てにカード会社から更新された情報が自動的に届くことがあります。この場合は、契約者が自分でカードの更新情報を登録し直さなくても、引き続きカードから料金が引き落とされます。
ただし、サービスを提供する会社とカード会社との連携状況や、カードの利用代金が利用可能額を超えているとき、引き落としができずにカードが一時的に利用停止されているときなどは、自動的にカードの更新情報が引き継がれません。契約者が自分でカードの情報を再設定しないと、引き落としがストップしてしまいます。
また、ネットショップの支払いにクレジットカード払いを設定しているとき、パソコン・スマートフォンでのインターネット決済サービスにクレジットカードを連携しているときなどは、 カード情報を一度登録すると、以後は利用のたびにカード情報を入力しなくても決済できるしくみになっていることがあります。
これらのサービス上で登録しているカード情報のほとんどは、カードの有効期限が切れても自動で更新されません。有効期限を迎えたらそれまで通りに決済できなくなることが多いため、ご自身で新しい有効期限とセキュリティコードを再登録することになります。
日頃はあまりクレジットカードの有効期限を意識することはないかもしれません。ですが、いざ期限を迎えると、ご自身で手続きが必要なものもあります。有効期限のしくみを知って、スムーズに対応したいものですね。
※写真と本文は関係ありません
加藤梨里
ファイナンシャルプランナー(CFP)、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター研究員
保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーのご相談、セミナー講師などを経験。2014年に独立し「マネーステップオフィス」を設立。専門は保険、ライフプラン、節約、資産運用など。大学では健康増進について研究活動を行っており、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方、健康管理を兼ねた家計管理、健康経営に関わるコンサルティングも行う。