LCCのノックスクート(本拠地: タイ)は6月1日、成田=バンコク(ドンムアン)線を週7便(毎日)で就航する。4月23日より航空券の販売を開始し、就航記念として3日間限定の片道9,500円(諸税込み)から販売する。85%程度のロードファクターを目標としているが、ノックスクート日本支社長の坪川成樹氏は「90%代も十分狙える」と見込んでいる。

  • ノックスクートCEOのヨドチャイ・スティタナクル氏が「ノックスクートの長期的な成長戦略のカギ」と話す成田=バンコク線定期便がついに就航

タイ国内便はノックエアーとスルーチケットも

ノックスクートは、シンガポールのLCCスクート(株保有率49%)とタイのLCCノックエアー(株保有率49%)の合弁航空会社として2014年に設立された、中長距離国際線を展開するLCC。2017年の売り上げは約192億6,400万円(56億タイバーツ/1億7,900万USドル)、前年比で44%上昇。搭乗客は110万人で37%増加、搭乗率は87%で前年比8%と、成長を続けている。

設立直後より、インバウンド向けにバンコク(ドンムアン)=成田間でのチャーター便を展開しており、直近では2017年12月2日~2018年1月4日の期間に17往復を運航。現在チャーター便を含め、国際線を8路線(台北、成田、青島、西安、大連、天津、南京、瀋陽)展開している。

  • ノックスクートは国際線を8路線(台北、成田、青島、西安、大連、天津、南京、瀋陽)展開

日本路線への定期便就航は設立時から構想していたものの、2015年に国際民間航空機関(ICAO)がタイに対して新規路線・チャーター便を認めないダウングレードを行ったため、定期便就航ができない状態となっていた。その間ノックスクートは、南京や青島など中国路線を中心に路線を拡大し、2017年12月にICAOからのダウングレード解除をもって、6月1日就航を迎えることになった。

ノックスクートCEOのヨドチャイ・スティタナクル氏は、「成田=バンコク(ドンムアン)路線は、ノックスクートの長期的な成長戦略のカギ」と語り、WEB・モバイル販売のほか、インフィニトラベルインフォメーションが担うGDSサービスなどを通じた、多様な販売体制を整える。

また、スクートはシンガポールを拠点に66路線を就航している一方、ノックエアーはタイのリージョナルLCCとして、ノックスクートと同じドンムアンを拠点に国内線24路線/国際線3路線を展開している。ノックスクートの成田=バンコク(ドンムアン)線からノックエアーに乗り換えての国内便も、6路線はスルーチケットで購入できるようになる。

  • ノックエアーはタイのリージョナルLCCとして、ノックスクートと同じドンムアンを拠点に国内線24路線/国際線3路線

737-800も新規導入へ

保有機材はボーイング777-200ERが4機であり、4月24日には5機目となるボーイング777-200ERを受領する予定となっている。また、2018年下半期には、ボーイング737-800の受領も計画している。1年以内の計画として、インドへの定期便就航がほぼ確定しており、日本への就航も成田以外に1,2都市を追加し、韓国へも就航都市を追加することを構想している。

日本路線の就航地としては、すでに多くの関係各所から要望を受けている状況で、関空や中部、福岡などの幹線空港のほかにも、今後導入予定の737-800を用いた路線も視野に入れて検討していくとしている。

  • 4月24日には5機目となるボーイング777-200ERを受領。今後、ボーイング737-800も導入する予定

成田=バンコク(ドンムアン)線自体は、すでにチャーター便として会社設立の早い段階から展開していたが、従来のチャーター便はインバウンド向けの販売・サービスとして展開していた。今回、新たに日本人の客室乗務員を募集することで、成田便就航に備える。

成田=バンコク(ドンムアン)線はすでにスクートが展開しており、直近1年のロードファクターは95.0~96.7%と高い数字となっている。また、同路線ではスクートのほかにも、同じLCCのタイ-エアアジアXが3月25日より1日3往復で増便運航をしている。ノックスクートCEOのヨドチャイ・スティタナクル氏は、85%程度のロードファクターを目標としているが、ノックスクート日本支社長の坪川成樹氏としては、スクートの実績を見てみても、90%代は十分狙えると語る。

  • ノックスクートのスタッフ。中央がノックスクート日本支社長の坪川成樹氏

機内サービスはスクート仕様

バンコク=成田線にはボーイング777-200ERを導入し、XW101(13:55成田発/18:25バンコク着)とXW102(02:20バンコク発/10:25成田着)を毎日運航する。機内サービスはスクート仕様で、スクートビズ24席、エコノミー391席の全415席を備える。ただし、スクートが787で導入しているwifiサービスは現状、ノックスクートでは展開していない。

  • スクートビズとエコノミーの2クラス制

スクートビズの座席は完全可動式ヘッドレスト付きレザーシートで、シートピッチ38インチ/シート幅22インチ/リクライニング6インチというゆったりとした環境となる。さらに、優先搭乗サービスやウェルカムドリンク・機内食、機内持込手荷物は2つ(合計最大15kg)まで、受託手荷物は30kgまでなどのサービスを備える。エコノミー(シートピッチ31インチ)もさらに座席が、スーパー(シートピッチ35インチ)とストレッチ(シートピッチ36インチ)が選べ、サービスも、受託手荷物20kg付き、機内食・ドリンク付きなど、自由に選べるようになっている。

  • 機内食は事前予約を可能

成田=バンコク(ドンムアン)線の通常運賃は、エコノミーが9,800円~6万1,900円、スクートビズが2万9,800円~7万800円、ともに別途諸税が必要となる。今回の就航記念セールは、エコノミーが片道9,500円~、スクートビズが片道2万2,900円~、ともに諸税込みの価格。販売期間は4月23~25日、搭乗期間は6月1日~10月27日となる。

  • 成田=バンコク(ドンムアン)線が3日間限定で諸税費込み片道9,500円~に