まるでファッションショーだ。衣装を身にまとったモデルが何人も登場し、ランウェイを歩く。少し違うのは、衣装にマッチしたカラーの袋をモデルが手に携えていること。袋に記されているのはPOGG、RINGOなど。それらは製菓会社BAKEの商品であり、これはBAKEの発表会の一幕だ。
プレスリリースで終わらせない
創業わずか5年で国内外に78店舗を構えるBAKE。取扱い商品は、チーズタルトやアップルパイなど誰もが知っている商品であり、競合多数にもかかわらず、急成長を遂げ、今では株式公開も視野に入れる注目の企業だ。そんな同社が4月某日、都内で発表会を開催した。
披露されたのは、スイートポテトパイの「POGG」とパフェの「THE PARFAIT STAND」。普通の会社ならプレスリリースで終わらせてしまうような内容だ。しかし、BAKEは違う。単なる新商品の披露ではなく、ブランド発表会という位置づけだからだ。
BAKEにとって、ブランド戦略は重要。それが急成長を達成できた大きな理由になっているからだ。商品の購入前から購入後まで、顧客と接するすべての点で手を抜かず、ウェブサイトのビジュアル、購入後の手さげ袋や商品を入れるパッケージ、そこに記されるロゴなど、ありとあらゆるものに力を入れ、カスタマーエクスペリエンスの向上を図っている。
単においしいだけのチーズタルトやら、アップルパイではなく、BAKEのチーズタルト、BAKEのアップルパイを味わってもらう。発表会がファッションショーめいたものになったのも、こうした考えが原点にあり、それを昇華させたものにすぎないのだ。
では、商品をブランド化するために、どういった取り組みをしているのだろうか。発表会に耳を傾ければ、その一端が見えてくる。