Appleが過日開催した教育イベント「Let's take a field trip」で披露したのは、テクノロジーを自分の表現やアウトプットのために活用する「手段」として活用することを明確にする新しいカリキュラム、「Everyone Can Create」だった。

プレス向けには実際の教室での実習やデモで、学習の中にクリエイティビティを取り入れるための体験を用意し、iPadとEveryone Can Createで教育や生徒の学習がどのように変わるのかを紹介した。

  • Everyone Can Create

今回Appleは、329ドルと価格を据え置きながらApple Pencilに対応するiPad(第6世代)を披露した。発表の中でフォーカスしていたのはA10 Fusionを搭載して実現した処理能力の高さである。「ほとんどのPCと、全てのChromebookよりも高速」であることをステージでも強調した。

ではなぜ教室内で処理能力の高いタブレットが必要なのか。拡張現実を教育に生かすアプリ群とともにそれを不可欠とするのが、Everyone Can Createだ。

Appleは40年間の教育市場への取り組みの中で、創造性が生徒の関心を高めることを理解したという。関心が高まることで自律的な学習を促し、問題解決やコミュニケーション、コラボレーションなどの能力が身につくといった流れを生む。

このカリキュラムでは、美術の授業だけでなく、一般教科の中で、創造性を生かした学び方を実現していくための方法が共有される。それは「音楽」「ビデオ編集」「写真」「スケッチ」の4つの分野を授業に取り入れるところを出発点とする。

音楽やビデオの編集には強力な処理能力が必要となる。例えば3分のビデオを書き出すために6分かかるような非力なコンピュータでは、ビデオ編集そのものが授業のテーマになってしまうのが避けられない。また写真をレポートや実験に取り入れるには高画質なカメラを手軽に利用できなければならないし、スケッチや直感的なアイディアをメモするにはペンが必要だ。Everyone Can Createは、プログラミング学習のスローガン「Everyone Can Code」とともに、新しいiPadを教室に導入するための理由を作り上げることになる。

なおカリキュラムは補助教材がついた教師版と、生徒版が用意され、正式版は秋に配信される予定だ。