劇場版『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』の完成と、その前日譚にあたる総集編『劇場版 仮面ライダーアマゾンズSeason1 覚醒』『Season2 輪廻』の公開を記念して、東京・丸の内TOEIにて16日、『覚醒』『輪廻』一挙上映イベントが開催された。ステージには主要キャストと、Season1、Season2のメイン監督を務め、『最後ノ審判』も手がけた石田秀範監督が登壇した。

  • 左から、三浦孝太、白本彩奈、前嶋曜、東亜優、谷口賢志、藤田富、姜暢雄、小林亮太、俊藤光利、石田秀範監督

仮面ライダー誕生45周年企画として、2016年に「Amazonプライム・ビデオ」のオリジナル映像配信作品として全13話のエピソードが製作された『仮面ライダーアマゾンズ』は、1974年にテレビ放送された『仮面ライダーアマゾン』を原典としながらも、従来の仮面ライダーシリーズ、ならびに従来の特撮変身ヒーロー作品というジャンル全体の"枠組み"を逸脱させた、過剰とも言えるバイオレンス描写や、登場人物をとことんまで精神的、肉体的に追いつめる"そこまでやるか"と思えるほどの過激なストーリー展開が評判となった。

そして地上波のテレビ番組では観られない"刺激"を求めるユーザーから多大な支持を受け、翌2017年にはSeason1の最終回から5年後を舞台とした『仮面ライダーアマゾンズ Season2』全13話が製作、放映された。Season2では前作よりもさらに過激さを盛り込み、人間の存在意義とは何か、そして、人間は人間以外の存在になっても生きる意味があるのか、といった深いテーマが描かれるとともに、驚きの展開の連続で見る者の心をかき乱した。

視聴者の心をえぐるようなショッキングな映像表現と共に、個性的なキャラクターたちの人間模様を描くドラマ、そして従来の"仮面ライダー"にあたるアマゾンオメガ、アマゾンアルファたちの野獣のようなアクションシーンなど、さまざまな魅力を備えた『アマゾンズ』の勢いはとどまることなく、ついに2018年、オリジナル劇場版にしてアマゾンズの完結編となる『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』(監督:石田秀範)が5月19日よりロードショー公開される運びとなった。

これまで『仮面ライダーアマゾンズ』は、Season1が地上波(TOKYO MX)とBS放送(BS朝日)、CS放送(東映チャンネル)で放送されているが、劇場版『最後ノ審判』に至るまでのSeason1、Season2の物語をより多くの観客に知ってもらうべく、Season1の総集編『劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season1 覚醒』、Season2の総集編『劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season2 輪廻』の2作品が公開される。これを記念して、5月5日より公開の『覚醒』と5月12日より公開の『輪廻』を一挙に観られる上映イベントが、4月16日に東京・丸の内TOEIにて催された。

上映前の舞台あいさつには、Season1とSeason2、そして劇場版『最後ノ審判』に出演する主要キャスト陣が集結し、『アマゾンズ』の企画立ち上げ段階から支えてきた石田秀範監督と共に、作品作りにかける熱き思いを語りあった。

仮面ライダーアマゾンオメガ/水澤悠を演じる藤田富は、映画化について「Season1のテレビ放送版オープニングを撮っているころ、僕と谷口さん、石田監督と『映画まで行けたらいいね』という話をしていて、それがいつしかキャスト、スタッフみんなの目標になっていきました。なので、その目標を叶えることができてうれしく思っています」と、率直な感想を述べた。

『仮面ライダーアマゾン』(1974年)の敵・ゲドンの十面鬼Tシャツを着て気合いを入れている仮面ライダーアマゾンアルファ/鷹山仁役の谷口賢志は、「やはり映画って、作ったからには大ヒットしないといけないと思っています。そのためには、今日来てくださったみなさん1人1人のお力が必要なんです。……みなさん、ヒモに貢ぐ女性の気持ちってわかりますか? わかりますよね? そのくらいの気持ちを持って『アマゾンズ』の映画を大々的に広めてください! 映画を撮ったからには、天下を取りたいんですよ、本当に!」と、念願の映画をさらに盛り上げるべく、観客に映画の応援と、情報拡散を願っていた。

鷹山仁を優しく包み込む最良・最高のパートナー・泉七羽役の東亜優は、役を演じる側であると同時に熱心な『アマゾンズ』のファンで、配信を繰り返し観ているほどののめりこみようであるという。総集編が作られたことについては「あんなに濃かったエピソードの内容が、さらにギュッと凝縮された映画になりました。観ていて、どんどんみんなの余裕がなくなっていく感じがハラハラドキドキで、みなさんに楽しめる映画になっていると思います」と、その出来栄えに満足している模様。また、七羽が映画『最後ノ審判』にも登場することについては、「どんな登場の仕方をするのか、最初は不安でした。Season2のまま(自分の出番が)終わっていたほうがいいと言われないかと……。でも、最後まで仁さんを見守ることができて、幸せでした」と、アマゾンズ世界の完結編である劇場版に出演できたことへの喜びを語った。

野に放たれた危険な実験用人工生物"アマゾン"を"狩る"目的で集まった「駆除班」のリーダー・志藤真を、時にクール、時に人情味たっぷりに演じた俊藤光利は、今回の登壇予定にはなかったが、急きょ劇場に駆けつけ、大勢のファンを沸かせた。俊藤は「駆除班は最初7人いたのですが、映画では4人に減りまして……。他のメンバーも(劇場に)駆けつけたかったと思うのですが、今日は僕1人で。あっ、隣に(マモルが)いるかな(笑)」と、壮絶なアマゾンとの戦いで仲間がどんどん退場していった現象を語り、その中でも特に思い入れの強いメンバー、マモルこと小林亮太との再会を喜んだ。

俊藤ほか、駆除班メンバーを演じる俳優たち(田邉和也、勝也、宮原華音)は、さる3月18日に、「四谷消防署 安心・安全フェア」に参加し、大勢のファンたちに囲まれてその人気の高さに驚いた経験がある。そのことを振り返って俊藤は「僕は緊張するタイプなので、檀上に立ったとき前に消防隊の方々がいらして、その熱に負けて『安心・安全フェア』を『安全・安心フェア』と言い間違えたり、それくらい緊張していました」と、意外な一面を明かした。また、驚くほど大勢のファンに囲まれたときのことは「最初、出る前は『アマゾンズ』のファンなんていないんじゃないか、特に駆除班のファンなんているのか、なんて言われていましたが、当日すごくたくさんの方々が会いに来てくださって……(笑)。三浦孝太くんと翌日に会ったのですが、彼から『駆除班の3人、あいつら勘違いしてますよ。イベントでファンに囲まれた次の日から全員、マスクして帽子を被ってて、何スター気取りしてんだ』って言われました(笑)」と、駆除班人気が実際に存在する事実を痛烈に感じたことを振り返った。しかし、横で俊藤の話を聞いていた谷口からは「なんで駆けつけちゃったの、この人! 映画の話しないじゃないか、帰れよ!(笑)」と憎まれ口を叩かれるなど、撮影時と同じく、和気あいあいとしたチームワークの良さをうかがわせるやりとりが見られた。

駆除班に属して他のアマゾンを狩っていたモグラアマゾン/マモルを演じる小林亮太は、「僕が演じるマモルがSeason1で加わっていた駆除班は家族のような存在。撮影以外のところでも一緒にいる時間が長かったんです。Season2ではいろいろあって、駆除班のみんなと離れて行動することになるんですけれど、それだけ心情的にツラい部分がありました」と、マモルの立ち位置が劇的に変化したことについての思いを語った。さらに「今までやってきた仕事の中で、マモルは自分自身と役柄が近かった。役に深くのめり込むことができた作品が『アマゾンズ』でした。Season2のラスト、マモルが駆除班のみんなへの思いを込めて、どのような決断を下すのか、観ていただけるとうれしいです」と、見応えのあるドラマ展開をアピールした。

Season2の中心人物となる仮面ライダーアマゾンネオ/千翼(ちひろ)を演じる前嶋曜は、作品中で行動を共にするイユについて、「イユがいなかったら、千翼は一生価値のない人生を送っていた、と僕は思っています。なので、千翼にとってイユは必要不可欠な存在です」と、真摯な表情で2人の関係性について語った。

特務機関「4C」の戦力となってアマゾンを殲滅するカラスアマゾン/イユを演じる白本彩奈もまた「千翼がいてくれて、イユは初めて感情を出すことができたんです。彼がいなかったら、イユはただの死体(のような存在)になってしまうので、千翼がいるからこそ、しっかりとイユとして成り立っていると思います」と、千翼との関係性の強さをアピールした。しかし『最後ノ審判』には白本と前嶋が出演しておらず、これについて白本は「(前嶋と)2人でよく話しているんですけれど、せめて回想シーンでいいから出たかったね~って(笑)」と、かなり残念そうな表情を見せていた。 

Season2において、生き残ったアマゾンと、新たに出現した新種アマゾンを殲滅するべく活動する特務機関「4C」の隊長を務める黒崎武を演じる三浦孝太は、Season2での出演について「Season1の成功を耳にしていましたし、Season2に出させていただいたとき、1から出ているキャストとスタッフとの一体感に最初はビビッていたんですけれど、この雰囲気を4Cがぶち壊すぐらいの気持ちでやろうと挑みました。スタッフ、キャスト共に生き生きとして現場で仕事をされていたので、すごく入りやすく、4Cという新たな風を吹かそうと思って頑張りました」と、しみじみ回想していた。映画『最後ノ審判』予告編が黒崎の「鬼ごっこは終わりだ……」というセリフから始まることについては「Season2が終わったとき、このまま終わりかな、と思っていましたが、映画でも「4C」がアマゾンを追い続けているということになっていて、感無量でした」と、映画でも荒々しくアマゾンを狩り続ける黒崎を演じることへの喜びを語った。

映画『最後ノ審判』のゲストとして登場する、養護施設「切子学園」の園長・御堂英之助を演じる姜暢雄は、劇中で新たなライダー、仮面ライダーアマゾンネオアルファに変身することでも話題を集めている。これについて姜は「僕、39歳なんですけれど(仮面ライダーに)変身していいのかな、ごめんなさいねって感じ」と照れながら話した。しかし、すかさず横から「俺の前でそれを言うな、俺なんて40歳で変身しているって!」と谷口から鋭いツッコミが入り、姜が苦笑いするひと幕も見られた。映画の重要ゲストを演じるにあたっては「Season1のときからみなさんが目標にしていた、劇場版に出演することができて光栄でしたし、やりがいがありました。非常に熱量の高い作品で、その中で御堂としての在り方を模索しながら演じさせていただきました」と、クオリティの高い作品に重要なポジションで出演することの喜びとやりがいを打ち明けた。自身が変身するネオアルファについて尋ねられると「カッコいいですよね……。ネオアルファについても詳しく語りたいのですが、まだ公開前なのでなかなか言えないところが多いんです。でも、とにかく楽しみにしてほしいですね」と、まだまだ謎の多いネオアルファに対しての興味を観客に煽っていた。

配信作品のころから「いつかは映画でやりたい」という願いを持ち、それがついに叶ったと喜びを表す石田秀範監督は「Season1の企画から数えて、もう3年くらいになるのですが、3年前はもちろんこういうこと(映画化)になるとは微塵も思いませんでした。作品を1本1本作り上げていく中で、スタッフ、キャストみんなの熱量がすごいので、これはもしかしたら……と思うようになりました。応援してくださるファンの方たちの力もひしひしと感じています。ご存じのとおり『アマゾンズ』は過激な表現が盛りだくさんで、ちょっと(観ていて)キツいところも多々あるんですけれど、それに付いてきてくださったみなさんの応援があったからこそ、映画で完結編が作れたのだと思います。改めて、みなさんに感謝したいと思います。みなさんのおかげで映画が撮れました!」と、ファンの方々の応援があってこそ『アマゾンズ』が盛り上がったと、改めて感謝の言葉を述べた。

『劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season1 覚醒』は5月5日より、『劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season2 輪廻』は5月12日から公開。そして完結編となる映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』は、5月19日より全国ロードショー公開される。

(C)「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映