5日に放送されたフジテレビ系クイズバラエティ特番『超逆境クイズバトル!! 99人の壁・春の乱』が11日、4月の同局番組審議会の議題にあげられ、14日に放送された『週刊フジテレビ批評』(毎週土曜5:30~)で、その模様が紹介された。

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『99人の壁』MCの佐藤二朗 撮影:大塚素久(SYASYA)

『99人の壁』は、コロシアムのように四方を囲んだ99人の群衆"ブロッカー"に対し、たった1人の"チャレンジャー"が「自分の得意ジャンル」という武器でクイズバトルに挑むというルール。フジのバラエティ番組制作セクション・第二制作室の企画プレゼン大会で、当時入社2年目の千葉悠矢氏が優勝し、放送が実現した番組だ。

放送作家の小山薫堂氏は「入社2年目の本来だったらまだADがとかしかやっていないような方が企画・演出をやって、そこにそこそこの舞台を与えたということに拍手を送りたいなあと思います。新世代の勢いを感じましたし、フジテレビの本当に元気だった頃の匂いを感じました」と絶賛。日本科学未来館の毛利衛館長も「ついに出た! フジテレビらしい時代を先取りした番組じゃないかというのを随所に感じました」と評価した。

また、MCに俳優の佐藤二朗を起用したことについて、八木秀次麗澤大学教授は「この番組を成功させてる大きな要因だと思います。実に軽妙で誰も傷つけず、誰もが好感を持てる司会ぶりで、彼の存在によってスタジオ全体に一体感が出来上がって非常に盛り上がっている」とコメント。

一方で、小山氏は「どんな立場、どんなキャラクター設定なのかを、すごく作り込んだ番組であるがゆえに、もうちょっと決めておいたほうがいいのかなあと。佐藤さんがどういう思いであのMCをしているのか、新しい人を発掘したいと思うのか、それともクイズが得意な人たちが悔しがる様子を見て、サディスティックな喜びを持ってるのかとか、もう少し明確にしたほうが良いのかなあという気はしました」と指摘した。

これに対し、総合演出の千葉氏は「佐藤さんにはMCを演じていただきたいというオファーを出した結果、ああいうキャラクターが出来上がったということです」と説明した上で、「こちら側からキャラクターをちゃんと作っていかなければなというのは、小山委員の言うとおりだなと思いまして、『あの99人の支配人あのか? それとも横で喜んでる人、MCなのか?』というちょっとした疑問は浮かんでしまうかなと思うので、そのへんはちょっと今後考えていければなと思います」と参考にしていた。

番審の様子を見たスタジオコメンテーターの博報堂ブランドデザイン若者研究所・原田曜平氏は「誰でもチャレンジできそうだなと思う一方で、すぐ勝てちゃうんじゃないの?って最初思ってたんですけど、どんどんライバルが増えるし、意外とすごく難関で、そういう意味では新しい感じをとても受けました」とした上で、「ただ、最初ルールがちょっと分かりにくいので、ぜひ特番というよりはレギュラーでやって、ルールに慣れるというのが大事だなと思いました」と感想。

MCの渡辺和洋アナウンサーは「若手ディレクターの発案した番組ですから、フジテレビにとっても大事な番組になっていくのかなという感じがしますね」と期待を示した。