2018平昌冬季五輪でフィギュアスケート男子2連覇を達成した羽生結弦選手(23歳)。その羽生選手の想いがそのまま企画展の名称になったような「応援ありがとうございます! 『羽生結弦展』」が、4月11~23日まで東京・日本橋高島屋で開催されている。羽生選手の展示では最大規模となる約200点を展示しており、開店前には2,000人もの人で長蛇の列ができていた。
羽生選手を撮り続けてきたカメラマンの作品
この写真展は読売新聞社が主催しており、同社がこれまでに撮影してきた100点以上の報道写真が中心となる。2008年に全日本ジュニア選手権で初優勝した時から、今シーズンまでの10シーズンをカバー。節目となる大会では、当時の見出しや羽生選手のコメントを再構成した記事パネルを作成し、羽生選手の歩みが分かるような構成となっている。
さらに羽生選手を長く撮影してきたスポーツフォトグラファーとして知られる田中宣明氏や能登直氏にも協力を得て、羽生選手を深く知るふたりならでのオフショットや大胆な構図の作品も披露されている。つまり、競技中の真剣な羽生選手はもちろんのこと、母性本能をくすぐるようなお茶目な羽生くんまで、たくさんの羽生結弦に出会える。
小学生の羽生くんから世界の羽生選手へ
写真展は「激動の序章」「悔しい『金』」「試練と栄光」の3つの章から構成されており、会場には写真のほか、衣装やスケート靴、メダルなどのグッズ展示に加え、動画ブースも設けられている。
写真展は羽生選手が小学校の卒業文集に記した「瞬間」から始まる。幼さの残るのその筆跡の中にはすでに、フィギュアスケートに寄せる熱い想いがうかがえた。その横には、「14歳羽生 ジュニアGPファイナルV」の記事タイトルとともに、メダルを下げた羽生選手の写真が展示されている。
衣装展示は幼少期に着用したキャラクター風の衣装をはじめ、2010~2011年のSP、2013~2014年のSP、2015~2016年のフリー、2016~2017年のフリーの衣装がそろう。さらに、2014~2015年から2017~2018年のフリー/エキシビションの7つの衣装(2016~2017年と2017~2018年のエキシビションの衣装は同じ)に関しては、写真とともにデザイン画が展示されている。安倍晴明となった2015~2016年のフリーの衣装も、紫や黄緑、ゴールドが絶妙に配色されていたことがよく分かる。
また会場には、GPファイナル2013/2014/2015/2016と4つ大会における羽生選手のメダルが展示されている。その側にはメダルを手にした羽生選手の写真が展示されており、この4年においても、羽生選手の変革を感じることができるだろう。
展示された羽生選手の手袋は意外と小さく見えるか大きく見えるか。その一方で、「東北グランマの仕事づくり」のニットキャップとネックウォーマーを着用する姿からは、地元・仙台を応援するひとりの選手としての想いも受け取れる。また、ANA所属としてANA社員との交流の深さを物語る展示も興味深い。
普段の羽生選手とはがらりと変わった雰囲気の1枚と言えば、写真家・篠山信氏が撮影した高校の制服姿のショットだろう。制服に身を包んだ羽生選手は、リンクの上で見せる笑顔ともちょっと違う、等身大の男の子の笑顔という印象を受けた。この写真展の最後には、羽生選手の直筆「応援ありがとうございます!」が待っている。
"キユーピー羽生"はひとり1種まで
写真展の魅力のひとつとして、会場限定商品を多数そろえたグッズ販売会場も設けられており、展示よりも先にこのエリア前に並ぶ人が多数いた。会場限定のオリジナルグッズはひとり各種5点まで、また、「コスチュームキユーピー」(各800円)と「キャンパスアート」(大2,500円/小1,500円)はひとり各種1点までという制限が設けられている。
グッズ販売会場は1階と写真展会場がある8階に設けられていたが、コスチュームキユーピーとキャンパスアートは8階会場限定ということもあり、これを目当てに朝一で並んだという人もいたようだ。
写真展は日本橋高島屋を皮切りに、大阪高島屋(4月25日~5月7日)、京都高島屋(5月9~21日)、新潟伊勢丹(6月13~25日)、藤崎百貨店(仙台、6月28~7月3日)、ジェイアール名古屋タカシマヤ(7月19~30日)、横浜高島屋(8月8~20日)と続く。なお、会場内では撮影は禁止となっているので、しっかりその姿を目に焼き付けて帰ろう。