JR四国とJR西日本岡山支社は10日、高松駅5番線ホームにて、瀬戸大橋線開業30周年の記念ヘッドマークお披露目式(記念1番列車出発式)を開催した。記念ヘッドマークは快速「マリンライナー」の1号車に順次取り付けられ、9月30日まで運行される。
瀬戸大橋線は1988年4月10日に全線開業し、現在は岡山~高松間の快速「マリンライナー」をはじめ、本州から四国内の各地へ列車が運行されている。瀬戸大橋線開業30周年の記念ヘッドマークお披露目式(記念1番列車出発式)は高松駅14時40分発「マリンライナー40号」の発車に合わせて行われ、JR四国代表取締役社長の半井真司氏、JR西日本岡山支社長の森本卓壽氏、香川県知事の浜田恵造氏らが出席した。
半井氏は挨拶の中で、瀬戸大橋線開業後の30年間を振り返り、「宇高連絡船の時代と比べて(四国内の)各地から岡山方面の所要時間が大幅に短縮され、連絡船への乗換えも不要となったことで、本四間の鉄道の流動が大幅に増えました。現在、1日150本余りの列車が走行し、1日あたり約2万2,000人、マリンライナーでも1日約1万3,000人の方々にご利用いただいています。このうち約25%が通勤・通学定期のお客様。瀬戸大橋線は本四間の大動脈であるとともに、香川・岡山の生活路線としても定着しています。当社にとって、瀬戸大橋線の重要性は増すばかりです」と述べた。
浜田知事は「瀬戸大橋は本四3架橋で唯一の鉄道道路併用橋。今後の人口減少社会において、大量輸送や定時性といった鉄道の持つ力がますます必要になるのではないか。本来は新幹線も通れる構造だけに、これを早く実現することも我々の努めかと思っています」と挨拶。その後、出席者らによる除幕式が行われ、記念ヘッドマークがお披露目された。
瀬戸大橋線開業30周年の記念ヘッドマークは、快速「マリンライナー」に使用されるJR四国の車両5000系の1号車(2階建てのグリーン・指定席車両)に取り付けられる。ヘッドマーク中央部にデザインされた瀬戸大橋開通30周年のシンボルマークは、香川・岡山両県の記念事業実行委員会が一般公募を経て決定したもの。吊り橋を大きく羽ばたく鳥に見立て、背中を道路、尾の部分を鉄道に置き換え、小さな島々を眼下に架かる橋と、大空へ飛び立つ3羽の鳥で開通30周年を記念するシンボルマークを表現したという。
瀬戸大橋線開業30周年の記念ヘッドマークを取り付けた「マリンライナー40号」は14時40分、高松駅長や浜田知事らの出発合図で高松駅を発車し、岡山駅へ向かった。その後、隣の6番線ホームに停車中だった列車の1号車にも記念ヘッドマークが取り付けられた。なお、快速「マリンライナー」の岡山方先頭車には記念ヘッドマークの取付けを行わないとのこと。早朝・深夜に2両編成で運行される下り「マリンライナー1・3・73・77号」、上り「マリンライナー2号」は記念ヘッドマークの対象外となる。
瀬戸大橋開業30周年の記念事業では、他にも記念入場券の発売や記念スタンプラリーなどを実施。開業から30年を振り返る写真を展示した記念パネル展も行われ、高松駅では5月31日までの開催を予定している。