SBドライブはこのほど、同社と岡山県内で路線バス事業を運営する宇野自動車が「バス自動運転サービスの実用化に向けた実証」について合意したことを発表した。
同社では、自動運転技術を活用したスマートモビリティーサービスの事業化を目指している。自動運転車両による路線バスの運行は、運転手不足や路線維持などのバス会社が直面する課題の解決のほか、交通弱者の移動支援の手段の一つになると考えているとのこと。
宇野バスは、対キロ区間制基準賃率23円20銭という、民間バス会社としては業界最低水準の運賃を20年以上にわたり維持しつつ、これまで一貫して国・自治体から補助金を受けずに経営を継続している。今後も継続するためには運転手の確保などのほか、自動運転バスの導入に向けた取り組みが必要と考え今回の合意に至ったという。
両社は今後、自動運転バスを使用した旅客運送事業の安全性や実現性、事業性、社会受容性などの社会実証を目的とした実験を、共同で実施していく予定とのこと。実証実験の実施に先立ち、自動運転バスの一般試乗会を4月14〜15日に岡山県赤磐市の赤磐市立中央公民館周辺で開催する。
試乗コースは、赤磐市立中央公民館を発着点とする、周辺の公道約1km。時間は10〜15時までで、10時発、11時発、13時発、14時発、15時発の5便を運行する。
一般試乗会で使用する自動運転バスは、市販の小型バスをベースに改造したもので、自動アクセル制御装置、自動ブレーキ制御装置、自動操舵装置、LiDAR(レーザースキャナー)、ミリ波レーダー、GPS受信機を搭載。自動運転レベル3(※)で走行する。乗車定員は20名。
試乗会の乗車料は無料。試乗申込みは、電話で赤磐市地域整備推進室に連絡するほか、現地でも受け付ける。申込み受付期間は、4月9〜12日。
※SAE Internationalの定義(J3016)による自動運転レベル3=自動運転システムが全ての運転タスクを実施(限定領域内)。作動継続が困難な場合の運転者は、システムの介入要求などに対して、適切に応答することが期待される。(出所:官民ITS構想・ロードマップ2017)