4月8日は「タイヤの日」であることをご存知だろうか。では、タイヤ空気圧モニタリングシステム、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)というものの存在は知っていただろうか。今回は、タイヤの日に先がけて、車内にいながらタイヤの空気圧をリアルタイムに把握することができる、TPMSの次世代ツールを紹介する。
タイヤ空気圧管理の救世主が登場!
クルマの日常点検においても、タイヤの空気圧チェックは基本的に空気圧計で測定するしか方法がなく、ついつい怠ってしまいがちな部分であると思う。セルフ式のガソリンスタンドが増加したこともあり、空気圧点検の機会はさらに少なくなっているように感じる。
JAFロードサービスによると、2016年度の主な出動理由は、「タイヤのパンク、バースト、空気圧不足」が高速道路において1位であり、一般道でも2位となっているらしい。さらに、タイヤトラブルの救援件数は2009年度に約27万5,000件だったものが、2016年度には約37万6,000件まで増加しているとのこと。
空気圧が低下することによって、パンクやバーストの発生はもちろんのこと、操縦性や燃費の悪化にもつながり、タイヤそのものの寿命も縮まってしまう。空気圧不足は見た目ではわかりにくいため、日常的に空気圧点検を行うことは非常に重要なのだ。
そこで登場したのが、タイヤ空気圧モニタリングシステム「TPMS」である。タイヤの空気圧を監視し、その低下を警告するシステムを総称してTPMSと呼び、2007年にはアメリカで、2012年にはヨーロッパで、さらに2013年には韓国でも装着が義務化されている。今後は日本でも法規制が検討され、義務化される可能性があるそうだ。
タイヤトラブルが多発している現状を憂い、埼玉県志木市にオフィスを構えるカーオーディオ店・バスクが、安全意識の啓蒙をしていきたいという想いのもと自社でTPMS製品を開発した。その名も「Air Safe」。冒頭にも述べた通り、この製品を装着すれば車内にいながらタイヤの空気圧をリアルタイムで正確に把握することができるのだ。
TPMSには同商品のような内蔵タイプと、エアバルブキャップとして装着するバルブキャップセンサータイプが存在する。内蔵タイプはホイール内部に装着するためプロの手を借りる必要があり、かつ比較的高価ではあるが、衝撃にも強く何より精度が高いのがアドバンテージとなる。
同商品は、TPMSでは日本初となる日産、ホンダ、GMのOEメーカー品であるとのこと。電池寿命は約5年となっているため、一度取り付けてしまえばしばらく付け替える必要がないというのも嬉しいポイント。
取り付けたセンサーで計測した空気圧とタイヤ内温度は、車内に装着したレシーバーのモニターにワイヤレス通信でリアルタイムに表示される。いちいち車外に出て空気圧計を使用して点検する大きな手間が省けるというわけだ。
空気圧の低下やタイヤ内温度変化などの異常をセンサーが感知すると、モニターが点滅表示され、アラーム音で警告を促してくれる。エアバルブの不良や細いクギが刺さったことなどによりタイヤの空気が少しずつ抜けていく「スローパンクチャー」は発生していることになかなか気づきにくいが、同商品ならそれも見逃さないので安心だ。
同商品はあくまでも、空気圧チェックのひとつの手段である。まずは、運転席側のドア付近に表示されている車両ごとの適正なタイヤ空気圧をチェックすることから始めてみよう。空気圧だけでなく、溝のすり減りやひび割れなども確認することをお忘れなく。
ちなみに、4月8日のタイヤの日に合わせ、6~11日の期間に全国9カ所のSA・PAにて、日本自動車タイヤ協会がタイヤの点検を実施するというような動きもある。せっかくのドライブの予定が台無しになったり、レッカー救援費用やタイヤ交換などの急な出費が発生してしまうという最悪な事態を避けるためにも、この機会に改めてマイカーのタイヤに目を向けてみよう。