EIZOは4月5日、映像制作市場向けの製品として、2種類のHDR方式とカラーマネージメントに対応した31.1型4K液晶ディスプレイ「ColorEdge CG319X」を発表した。5月23日から発売する。価格はオープンで、店頭予想価格は594,000円前後(税込)。

  • EIZO「ColorEdge CG319X」

    ColorEdgeシリーズのハイエンド、ColorEdge CG319X

「ColorEdge CG318-4K」の後継機となる31.1型液晶ディスプレイ。デジタルシネマ規格「DCI 4K」の解像度、4,096×2,160ドットのハイエンドモデルで、映像制作、写真、デザイン、印刷などのクリエイティブワークに携わるプロフェッショナル向けに開発された。

新機能として、PQ方式とHybrid Log Gamma方式という2つのHDR入出力特性(ガンマ)をサポート。HDRコンテンツの編集作業・カラーグレーディング作業に適している。専用ソフト「ColorNavigator 6/NX」を使うことで、任意のカメラLogのガンマ設定が可能。ディスプレイ単体でカメラLogの映像を確認できるなど、撮影現場での運用にも適している。

デジタルシネマ規格の「DCI」や、4K/8K放送の色基準となる「Rec.2020」などの国際規格に対応した表示モードを標準で搭載。本体前面のボタンから、これらカラーモードを簡単に切り替えられる。色域は、DCI-P3を98%カバー、Adobe RGBを99%カバー。

  • EIZO「ColorEdge CG319X」

    上部にキャリブレーターを内蔵

  • EIZO「ColorEdge CG319X」

    DCI 4K(4,096×2,160ドット)の液晶ディスプレイは少ない

内蔵のキャリブレーションセンサーは、従来モデルと比べて測定精度が向上。経年変化による表示のずれを自動で再調整する「セルフキャリブレーション」に対応する。従来モデルではセルフキャリブレーション中に画面が暗転していたが、新モデルでは作業画面を表示しながらの調整が可能となった。作業の手を止めずに、キャリブレーションを実行できる。

本体には温度センサーも内蔵。周囲の温度変化による色や明るさの変動を、AIを活用したアルゴリズムによって推測し、高い精度で階調、色度、輝度を適切に補正する。静音性を高めて作業効率をアップさせるファンレス設計も採用している。

そのほか主な仕様は、視野角が垂直水平とも178度、輝度が350cd/平方メートル、コントラスト比が1,500:1、応答速度が9ms(中間階調域)。液晶パネルはIPS方式の非光沢(アンチグレア)。映像入力インタフェースはHDMI×2(4K/60p対応)、DisplayPort×2。USB 3.0ハブ×3ポートも備える(うち1ポートはバッテリーチャージに対応)。

スタンドのチルト角度は上35度 / 下5度、左右344度のスイーベルに対応し、154mmの高さ調整も可能。耐震性に優れ安定性も向上している。本体サイズはW754.4×D381.5×H443.6~597.6mm、重量は約12.4kg(遮光フード装着時)。ワンタッチで着脱可能な遮光フードも付属。