日本全国、老若男女、知らない人はいないチロルチョコ。それもそのはず。チロルチョコの生みの親である松尾製菓が福岡県田川郡(現田川市)に設立されたのは大正8(1919)年、チョコレート部門を新設して「チロル」のブランド名で売り出したのは昭和37(1962)年なのだから。半世紀以上の長きに渡って愛されてきたそのチョコが、なんとカレールーになったらしい。一体どういうことなの!?
「コーヒーヌガー」「ミルク」の2つの味で展開
商品名は、「チロルチョコとけこむカレー」(コーヒーヌガー、ミルクともに税込500円)。チロルチョコブランドの中でも特に歴史が長い「コーヒーヌガー」、そして、平成に入ってからの登場ながら息の長い「ミルク」の2つの味で展開している。
販売元は、田川市に拠点を構えるデザインステーション。観光事業の活性化、地域の資源を磨いて発信することを通して、県内を走る平成筑豊鉄道および、県内ならびに大分県日田市を走るJR日田彦線沿線地域の街づくりおよび価値向上に貢献している会社だ。
様々なご当地カレーを手掛けてきた会社とタッグ
そこで、同社に「チロルチョコとけこむカレー」が誕生した経緯について尋ねたところ、製造を手掛けたのは、同じく福岡県内に本社を置く一番食品だという。
「一番食品さんは、これまでに様々なご当地カレーを作ってきた会社です。今回、田川のカレーを作ろうということで真っ先に頭に浮かんだのが、田川発祥のチロルチョコだったそうです」。
そう話すのはデザインステーションの金子さん。金子さんによると、試行錯誤を重ねた末に完成した「コーヒーヌガー」はコク深くスパイシーで、一方の「ミルク」は生クリーム入りで甘みが強く、小さな子どもがいる家庭にもオススメだという。ともに、それぞれの味のチロルチョコそのものを原料として用いているそうで、チョコの使用量はルー全体の割合の約5%。かなりしっかりとチョコレートの風味を感じられそうだ。
「パッケージデザインには、私たちも意見を出させてもらいました。チロルチョコのパッケージそのままの方がインパクトが強くて目を引くと思ったんです」。
「田川を感じられる場所」で販売したい
目論見通り、3月1日に発売を開始したところ、1,800ずつのロットで用意したが3月末時点で残りわずか。既に次の発注分が金子さんの元に届いているという。
主な販売店は、福岡県田川市の道の駅「勧游舎ひこさん」「香春」「いとだ」と、東京・秋葉原にある「Shopチロルチョコ」(3月12日オープン)だそう。スーパーやコンビニには敢えて置かないのは、「チロルチョコとけこむカレーを買える場所=田川を感じられる場所」であることが理想だから。
「田川のお土産品」としての快進撃は始まったばかりだが、早くも田川市のふるさと納税お礼品に採用されているし、今後さらに人気が高まることは間違いなし!
「パッケージ裏面には、田川市の紹介も載せています。このカレーがきっかけで少しでも多くの人に、田川のファンになってもらえたらうれしいですね」。
旅行の際に現地で購入するのはもちろん、ふるさと納税で街づくりに貢献するのも◎。お土産やプレゼントにしても喜ばれること必至だ。