国土交通省は4月3日、交通需要の時間的・空間的な偏在により特定の時間帯、箇所および路線で発生している渋滞に関して各種交通データを活用し、平成29年における年間・GWの渋滞ランキングを発表した。高速道路では、年間渋滞1位は「E20 中央自動車道(上り)調布~高井戸」、GW渋滞1位は「E1 東名高速道路(上り)御殿場~大井松田」となった。
この調査は、円滑で快適、地域の活力向上にも資する道路交通サービスの実現を目指し、渋滞の要因把握や対策の推進を図るために実施している。対象道路は、直轄国道及び東日本高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路・本州四国連絡高速道路・首都高速道路・阪神高速道路が管理する道路で、平成29年年間(1~12月)とGW期間を対象に、渋滞損失時間(高速道路のみ渋滞要因内訳)を調査した。
都市高速道路に関しては、年間渋滞1位は「神戸線 (下り)西宮JCT~第二神明接続部」、GW渋滞1位は「神戸線(上り)第二神明接続部~西宮JCT」となった。また、直轄国道(1~20号)に関しては、年間渋滞1位は「国道16号 千葉県柏市 呼塚交差点~大井交差点、GW渋滞1位は「国道1号 三重県四日市市 中部交差点~日永五南交差点」となった。
高速道路を対象とした年間調査は、IC区間別(上り・下り(内回・外回)を分けて集計)に7~19時の12時間を対象に実施。NEXCO3社及び本四高速における平成29年の渋滞損失時間(混雑により余計にかかる時間。単位: 万人・時間/年)の合計は2.1億人・時間となり、これは高速道路を利用した1台あたり7分に相当する。大都市中心とその周辺をつなぐ主要路線の区間が上位にランクインしており、平成28年と比較して、年間の渋滞損失時間は微増(8%増)し、上位はほぼ変わっていない。
上位30位の渋滞損失時間のうち、約5割が40km/h以下となる渋滞が発生し、そのうち約6割が交通集中による渋滞となっている。また、40km/h以下となる渋滞のうち約3割が、交通事故による渋滞という結果になった。
都市高速道路を対象とした年間調査は、JCT区間別(上り・下り(内回・外回、東行・西行)を分けて集計)に7~19時の12時間を対象に実施。都市高速道路における平成29年の渋滞損失時間の合計は0.8億人・時間となり、これは都市高速道路を利用した1台あたり7分に相当する。都心に流出入する路線・区間が上位を占めており、平成28年と比較して、年間の渋滞損失時間は微増(5%増)し、上位はほぼ変わっていない。
直轄国道を対象とした年間調査は、路線別(国道1~20号で集計)に7~19時に12時間を対象に、年間の時間別平均旅行速度がいずれかの時間で20km/h以下となる区間を対象に実施。直轄国道における平成29年の渋滞損失時間の合計は14.5億人・時間となり、これは年間で約81万人分の労働力に相当する。国道1~20号の渋滞損失時間は7.7億人・時間で、直轄国道全体の約5割が発生。都市中心部や都市間をつなぐ区間、大規模商業施設および工業団地の周辺や交差点が連続する区間がランクインした。平成28年と比較して、年間の渋滞損失時間は微増(4%増)している。