JR西日本は2日、大阪府内で2018年度入社式を行い、その様子を報道公開した。2018年度新規採用社員が緊張の面持ちで参加し、厳粛な雰囲気の中で式が執り行われた。

  • 入社式に先立ち、2005年に発生した福知山線脱線事故で亡くなった方々に対して黙祷を捧げた

同社は2018年度の新規採用において、将来的に経営の一翼を担う総合職154名、鉄道運行の最前線を支えるプロフェショナル487名、おもにJR大阪鉄道病院に勤務する医療26名の計662名を採用した。前年度の採用数(計654名)より微増となった。

入社式の会場となったホールに入ると、新入社員たちが緊張した面持ちで着席していた。式ではまず、2005年に発生した福知山線脱線事故で亡くなった方々に対して黙祷が捧げられた。

社長式辞にて、同社代表取締役社長の来島達夫氏は、「鉄道の安全はJR西日本グループのあらゆるサービス、商品の根幹であります」と述べ、鉄道の安全性を強調。今年で13年目を迎える福知山線脱線事故にも言及し、安全対策を推進していることを説明した。

昨年12月、東海道・山陽新幹線「のぞみ34号」で発生した自社車両による重大インシデントにも触れ、「事故や背景の究明、諸々の対策を策定し進めている」と述べた。最後に、来島氏は新入社員に対して、「皆さん自身の成長に強くこだわってほしい」「考えて行動する、考動を実践する」という2つのメッセージを送った。

新入社員代表答辞では、高橋由圭さんが壇上に上がった。冒頭、高橋さんは「JR西日本の社員として認識すべきことはお客様の尊い命をお預かりしているということ」と述べた。そしてJR西日本の中期経営計画に触れ、「顧客起点に立つ、という点だけは先輩方に負けない」と力強く宣言。新入社員らしく、力のこもった答辞となった。新入社員代表答辞の後、企業理念唱和、安全憲章唱和、社歌斉唱と続いた。

  • 新入社員代表者へ辞令交付

  • 新入社員代表答辞

  • 新入社員代表答辞の後、企業理念唱和、安全憲章唱和と続いた

入社式後、新入社員を代表して、塚田愛理さんと竹並浩輝さんへのインタビューが行われた。新入社員としての意気込みを聞かれ、竹並さんは「早く一人前の鉄道人になること」と答えた。入社式に関して、塚田さんは「JR西日本の社員になったことを実感した」と落ち着いた表情で感想を述べた。

昨年、発足から30年を迎えたJR西日本は新たなチャレンジに挑む。JR西日本の新入社員が社内だけでなく、鉄道界に新たな風を巻き起こすことを予感させる入社式となった。