台湾ASRockはユニークなマザーボードを製造することで知られているメーカーですが、今回「Phantom Gaming」というブランド名で、グラフィックスカード市場に参入することを発表しました。「Fast/Misterious/Unbeatalbe」をキーワードに製品を展開するそうです。
Radeon RX 500シリーズ搭載製品を投入
第1弾として投入されるのは、AMDのRadeon RX500シリーズを搭載した製品で、Radeon RX580/570/560/550を使用した6モデルが、4月中旬より順次出荷されます。
上位モデルはデフォルトで高クロックに
発表会では、ASRockでマーケティングディレクター務めるクリス・リー(Chris Lee)氏が製品の特長を紹介しました。「このような場に出るとマザーボードの説明をしていたが、今日は違う。今回はグラフィックカードの紹介をしたい」とリー氏は挨拶すると、製品の説明に入りました。
フラッグシップ製品となるのがRadeon RX 580を搭載した「PHANTOM GAMING X RADEON RX580 8G OC」です。製品名が示すようにOC(オーバークロック)モデルで、メモリは8GBのGDDR5を搭載。標準のコアクロックは1380MHzとなっています。
その1つ下に位置付けられる製品がRadeon RX 570を搭載した「PHANTOM GAMING X RADEON RX570 8G OC」です。コアクロックが1280MHzに下げられている以外にメモリやインタフェースはほぼ同様のスペックとなっています。
リー氏はASRockとして、動作クロックを重視しているといいます。Radeon RX 580のリファレンスクロックは1340MHzですが、「PHANTOM GAMING X RADEON RX570 8G OC」は標準で1380MHzと引き上げられています。
また、オーバークロックモードやサイレントモードといった動作モードを切り替えられますが、サイレントモードは1323MHz、オーバークロックモードは1435MHzで駆動します。
一方で、Radeon RX 570のリファレンスクロックが1240MHzに対して、「PHANTOM GAMING X RADEON RX570 8G OC」標準で1280MHz、サイレントモードで1228MHz、オーバークロック時で1331MHzと最大7%のオーバークロックとなっています。
競合のRadeon RX 580搭載製品とも比較。A社が標準1360MHz、OC時1380MHz。G社が標準1365MHz、OC時1380MHz。M社は標準1366MHz、OC時1380MHzであると説明。それに対してASRock製品は標準で1380MHzと他社のOC時が標準状態、OC時はそれを突き放つ1434MHzのゲーム体験が得られ「投入タイミングでは他社に遅れたが性能は一番上である」とし、業界最高クロックの製品であるとアピールしました。
クロックを上げたOCモデルは、発熱が大きく放熱が課題になります。これに関して、ヒートシンクはマザーボードでも採用されているXXLアルミニウム合金を採用するほか、コンポジットヒートパイプを高密度溶接して高い熱伝導性を実現したといいます。
GPUとの接触面には銅を使用して、放熱性を向上させています。さらに空冷ファンにダブルボールベアリングを採用したデュアルファン設計となっており冷却性能と長寿命を実現していると説明していました。
下位モデルとなるRadeon RX 560搭載製品とRadeon RX 550搭載製品は、それぞれメモリ4GB/2GBを備えた合計4モデルを投入。コアクロックは、Radeon RX 560搭載製品が1149MHz、Radeon RX 550搭載が1100MHzです。画面出力はDisplayPort/DVI/HDMIを1基づつ備えています。
グラフィックカードを管理するユーティリティとして、ASRock独自の「Phantom Gaming TWEAK」を提供します。動作モードの切り替えをボタン1つで行えるほか、GPUやメモリクロック調整とパフォーマンス表示、ファン回転数の調整も可能とのことです。
質疑応答では「今回の製品はベーシックなモデルで、ユニークなマザーボードを開発するASRockらしさに欠けるのでは?」という質問がありましたが、リー氏は「今回はファーストプロダクトで性能面に注力した。今後は(発光機能など)他の機能も取り入れて、皆様の期待に応える」と発言し、グラフィックボードにおいてもASRockらしいユニークな製品を出すようです。