産労総合研究所は3月27日、「2018年度(平成30年度)新入社員のタイプ」を発表した。

  • ゴールを目指し協力関係をつくるタイプ

今回の発表内容は、企業の人事担当者、大学のキャリアセンター担当者などからなる「新社会人の採用・育成研究会」が、同所調査の「2018年度新卒者の採用・就職と特徴に関する調査」、2018年度の採用・就職支援活動などを踏まえてまとめたもの。

2018年度の新入社員の特徴としては、少数の仲間同士でSNSを活用し、綿密な情報交換で協力関係を構築し、内定というゴールを目指したという点が挙げられる。これらの特徴から導き出したタイプは、「SNSを駆使するチームパシュートタイプ」となった。

厚生労働省と文部科学省の調査によると、今春の大卒新入社員の内定率は91.2%(2月1日時点)で、調査開始(平成9年3月卒)以来の最高値であるという。平成23年3月卒の77.4%から7年連続増加しており、売り手市場であることがわかる。

しかし、厚生労働省「新規学卒者の離職状況」を見ると、有効求人倍率が上昇に転じた平成22年以降、大卒新入社員の3年以内の退職も30%台で推移している。日本生産性本部が実施する新入社員意識調査では、「買い手市場」では新入社員の本音が見えにくいが、「売り手市場」になると顕在化する傾向にあるとのこと。入社後は、社員の定着に向け、個々の資質を見きわめた丁寧な育成が必要となるという。