肌が乾燥しがちな冬から、少しずつ春めいてくるこの季節。心も体も健やかに過ごしたい、そんな時におすすめなのが香りを楽しむアロマテラピーです。最近では、加湿器にも精油対応で香りを楽しめる機種が出てきています。

今回は、アロマテラピー検定を主催するなどアロマテラピーの健全な普及と啓発に努めていらっしゃる『公益社団法人 日本アロマ環境協会』に、この季節にぴったりで、気分に合わせて使い分けられるおすすめの精油についてお話を伺いました。

リラックスしたい時におすすめの精油には、どのようなものがありますか?

「リラックスしたい時には、香りが柔らかな精油を選ぶとよいでしょう。例えば優しい香りのラベンダーはストレスで緊張した心をほぐしたり、体をリラックスさせるのに適しているといわれています。また、オレンジ・スイートには、ストレスによるイライラを解消させる働きがあります。寝る前に香らせると入眠しやすいという研究結果があり、質の高い睡眠に役立ちます。お子さんからお年寄りまで幅広い世代に好まれる香りです」

では、気分をリフレッシュしたい時は?

「気分をリフレッシュしたい時には、スッとする清涼感のある香りがおすすめです。ただし、顔に近づけすぎると目に刺激を与えることがあるので、アロマディフューザーなどでお部屋に香らせる使い方がよいでしょう。ペパーミントはスッキリとした爽快感のある香りで、優れたリフレッシュ作用があります。眠気を抑えたり、ストレスや疲労感を和らげる働きもありますよ。また、ローズマリーもスッとする香りで集中力が高まります。男性にも好まれる香りです」

元気を出したい時はどんな香りがよいでしょうか?

「レモンやグレープフルーツ、ベルガモットなどかんきつ系の香りが、明るく前向きな気持ちになれるのでおすすめです。朝、起きがけに香らせたり、満員電車のにおいが気になる時など、しみになってもよいハンカチに精油をつけて内側に折り込んだものを、口元にあてても香りをかいでもよいでしょう」

そういった香りを手軽に楽しむ方法を教えてください。

「アロマディフューザーなど専用の芳香器具がなくても、アロマテラピーを楽しむことはできます。例えばマグカップにお湯を入れて精油1~3滴をたらし、蒸気の香りをかぐという方法もあります。ただし間違えて飲まないように気をつけましょう!お風呂の浴槽に精油1~5滴をたらしてしっかりと混ぜてから入浴すれば、手軽なアロマバスが楽しめます。洗面器などにためたお湯に精油1~2滴をたらし、手浴や足浴をするのでもよいでしょう。精油の原液は皮膚に直接つけられないので、もしもつけいてしまった場合はよく洗い流してください。また寝る時はティッシュペーパーに精油1~2滴をたらして枕元に置くのがおすすめです」

精油を保管するのに気をつけたほうがよいことはありますか?

「精油は、ふたをきちんと閉めて直射日光を避けて保存し、開封から1年を目安に使い切りましょう。特にかんきつ系の精油は変質してしまうのが早いので、早めに使い切ることをおすすめします。もし古くなってしまったら、雑巾がけなどに使うのがおすすめです。バケツの水に精油をたらして混ぜ、その水で雑巾を湿らせて雑巾がけをします。ユーカリやラベンダーなど抗菌作用のある精油が向きますね」

近年では、ハッカやヒバ、クロモジやユズなど日本の植物から作られた和精油もたくさんの種類があり、お土産として人気があるそうです。自分の好みの香りを見つけて、毎日の暮らしに上手に活用したいですね。

《取材協力》
公益社団法人 日本アロマ環境協会
http://www.aromakankyo.or.jp/