3. テストソフトウェアの相互運用性を強化し、よりスマートにテストを行う
チームメンバーが1人であれば、再利用は比較的容易な問題です。この問題が浮上するのは、ビジネスの成長に応じて検証エンジニアリングチームの規模を拡大する場合や、複数のリモート開発/実装テストステーションに対応してコスト管理を行うようになった場合、そして、スループットを向上するために扱うデータ量やバッチが増加した場合です。こうした面での拡張を成功させるには、一定レベルの標準化と、合意された一連のツール、ワークフロー、およびプラットフォームとなるソフトウェアが必要です。
次々と開発されるNIのテスト/計測ソフトウェアと並んで、LabVIEW NXGとLabVIEW 2017は、NIのテストソフトウェアに対する継続的な取り組みの一環として、一般的なオープンスタンダードパッケージテクノロジに基づいて構築されています。新しいパッケージマネージャを使用すると、NIや他社製のソフトウェアだけでなく、独自のソフトウェアを配布することもできます。多くの場合、再利用の根本的な課題は、アプリケーションやコードを見つけることではなく、適切なハードウェアドライバおよびそのバージョンを探し当てることです。
LabVIEW NXGにおけるNIパッケージ管理の鍵となるコンポーネントは、ユーザが依存するテストコードまたはアプリケーションを定義して、効果的かつ効率的に作業を行えるようにするものです。 NIソフトウェアはオープンプラットフォームであるため、この依存関係をテストコード、他社製のアドオン、LabVIEW NXGランタイム、ハードウェアドライバに段階的に適用することができます。これにより、チームがソフトウェア構成の管理、依存関係の管理、テストシステムの複製のために費やす時間が短縮できます。最近のNIの調査では、LabVIEW NXGの最新バージョンを使用している10人のソフトウェア開発者のうち7人が、LabVIEW NXGについて、拡張性に優れたライブラリの構築とシステムの実装に役立つ可能性が高いまたは非常に高いと回答しました。
テストの運用性と再利用を強化できるかどうかは、LabVIEW NXG、LabVIEW、独自のテストコードのどれを使ったとしても、ソフトウェアの配布方法にかかっています。標準化の第一歩として、業界標準のパッケージ構築/パッケージ管理テクノロジを使用してソフトウェアを配布することで、自信を持ってシステムを複製できるようになるでしょう。
4. 適切なテストデータを適切なユーザに提供して、よりスマートにテストを行う
自分がエンジニアリングデータのボトルネックになりつつありませんか。チームメンバーが適時テストのステータスを知るうえで自分が障害になっていたり、目の前の1つのテストしか監視できないために自分自身の生産性を低下させていたりしませんか。実は、そのような状況に陥っているのはあなた一人ではありません。NIは、テスト、計測、制御に携わるエンジニアのグループに、もしテストにリモートアクセスできるとしたら何を実行したいか尋ねました。
アンケート回答者は、リモートアクセスが最も大きな影響を与えるのは、テストの監視や結果へのアクセスだと考えているようです。Webを利用することで、Webアクセスが可能なツールを活用し、チーム全体がデータにアクセスして可視性を高めることができます。Web自体は新しいテクノロジではありませんが、エンジニアに、必要とされる通信メカニズムを管理するためのWebプログラミング経験、ITバックグラウンド、そして時間が不足していたために、これまでシステムへの導入がなかなか実現しませんでした。
LabVIEW NXG Web Moduleに搭載されたツールでは、Webベースのインタフェース(WebVI)をドラッグアンドドロップするだけで作成できるため、テスト/制御/監視アプリケーションの強化に役立ちます。これは標準のWebテクノロジに基づいているため、Webインタフェースは、タブレットやスマートフォンなど、あらゆるデバイスの最新ブラウザから、プラグインを使用せずに表示することができます。このWeb Moduleを使用すると、Webベースのエンジニアリングユーザインタフェースをすばやく作成できます。さらに、直感的な通信メカニズムと安全なホスティングプラットフォームにより、Webプログラミングの専門知識がなくても、Webインタフェースを迅速に開発してデプロイすることができます。
チームにWebプログラミングの専門知識があれば、LabVIEW NXG Web Moduleを使用して、標準のHTML5、CSS、JavaScriptテクノロジに基づいたインタフェースを構築できます。その際、LabVIEW NXG上で直接インタフェースをコードでカスタマイズしたり、既存のWebベースのソリューションに組み込んだりすることができます。
テストソフトウェアの最先端を行くには
テスト/計測アプリケーション要件の規模と複雑性、そしてベンダが提供するさまざまなツールやユーティリティについて考えたとき、問題はプロジェクトにソフトウェアが必要かどうかではなく、エンジニアリング業界の急激な変化に対応するためのソフトウェアの最適な使い方であると言えるでしょう。その鍵となる以下の4つの質問に答えることで、検討しているソフトウェアツールを評価し、よりスマートなテストを実現できます。そのソフトウェアツールは次の点において、どれくらい優れていますか。
- テストシステムのセットアップ/構成時間を短縮する。
- 次の計測に取り掛かるまでの時間を最小限に抑える。
- テストソフトウェアの相互運用性の強化。
- 適切なテストデータを適切なユーザに提供する。
どのような将来が待ち受けているのか
LabVIEW NXGの最新リリースは、エンジニアに向けてNIが30年以上にわたって行ってきた、ソフトウェア中心のプラットフォームに対する継続的な投資の一環です。NIのユーザ定義アプローチは、誰かがテストソリューションを提供してくれるのを待つのではなく、ユーザ自身がツールへアクセスできるよう扉を開くことに重点を置いています。そうすることで、技術トレンドのメリットを大いに活用して、その先頭に立てると考えています。
あなたの将来には何が待ち受けているでしょうか。皆様が今後直面するであろう技術課題に対し、LabVIEW NXGを使用して取り組むことで、将来が開けるとNIでは信じており、今後も、継続してそうした取り組みを行っていきます。
著者プロフィール
Jonah PaulNational Instruments(NI)。
Senior Product Marketing Manager