LCCのバニラ・エアは3月25日、新路線として福岡=台北(桃園)線を就航した。26日の日本発便の初便に先駆け、同社は25日に九州最大級のファッションイベント「福岡アジアコレクション2018」に参加し、九州の新しいファン候補にバニラエアの魅力をアピールした。

  • 黒木啓司さんはパイロットに、LeolaさんはCAに変身

    黒木啓司さんはパイロットに、LeolaさんはCAに変身

「アジアコレクション」で九州の若者にPR

毎日運航の福岡=台北(桃園)線は、福岡を午前中(8:55~9:30)に出発して昼前(10:25~11:00)に台北に到着し、復路便は台北を午後(16:55~17:10)に出発して夜(20:15~20:30)に到着する、日本から利用しやすいダイヤとなる。3月25日の台北発初便JW158(17:10台北発/20:30福岡着)の搭乗者は178人(幼児2人含む)、26日の福岡発初便JW151(9:30福岡発/11:00台北着)の搭乗者は159人(幼児1人含む)となった。

バニラエアはすでに国内3地点(成田/関西/沖縄)から台北線を展開しており、国内3都市から合わせて1日6往復を展開。この従来路線では約7割が台湾からの利用者となっている。実際、バニラエアが台湾で実施した調査によると、バニラエアの認知度は90%と高く、「明るい」「元気」などとポジティブな声が多かったという。

  • 九州エリアでのブランディングの一環で、福岡アジアコレクション2018に参加

    九州エリアでのブランディングの一環で、福岡アジアコレクション2018に参加

バニラエアとしては今回の福岡線は初の九州路線ということもあり、九州エリアでのブランディングとして、バニラエアの主要顧客層である20~30代女性とも親和性がある「福岡アジアコレクション2018」でのブランディングを展開した。

  • パイロットやフライトアテンダントによるランウェイも

    パイロットやフライトアテンダントによるランウェイも

バニラエアステージには、EXILE THE SECONDの黒木啓司さんやアーティストのLeolaさんが登場し、黒木さんはパイロットに、LeolaさんはCAに変身。ふたりに続き、パイロットやフライトアテンダントによるランウェイも披露された。さらに、福岡市長の高島宗一郎氏もそろってのトークショーや、Leolaさんによる演奏、バニラエアグッズのプレゼントなど、さまざまなイベントで会場をにぎわせた。

また、26日の福岡発JW151の出発に先駆けて、福岡空港国際線ターミナルにて就航セレモニーを実施。会場には国土交通省九州運輸局次長・高杉典弘氏やバニラエア社長・五島勝也氏などに加え、アジアコレクションで活躍した黒木さんやLeolaさんも駆けつけた。

  • 26日には福岡空港国際線ターミナルにて就航セレモニーを実施

    26日には福岡空港国際線ターミナルにて就航セレモニーを実施

WEBサイトの使いやすさや価格で差別化

バニラエアは通常、8割程度のロードファクターを目標としている。今回の福岡線についてネットワークを担当している企画部の二宮健氏は、「日本地図を俯瞰して見た際の弊社の空白地点が福岡だった。福岡は政令指定都市の中で人口増加率が最も高くて若者が増加していて活気があるということ、都心部へアクセスしやすい福岡空港ゆえに飛行機への抵抗が低い傾向があること、フライト時間は2時間半程度という気軽さがあること、また、九州全体としての観光的な魅力があることが、今回の就航の狙いとなっている」と話す。

  • バニラエア企画部の二宮健氏は、バニラエア就航時よりネットワークを担当。福岡出身で、今回はその地元への路線開設を実現させることになった

    バニラエア企画部の二宮健氏は、バニラエア就航時よりネットワークを担当。福岡出身で、今回はその地元への路線開設を実現させることになった

福岡空港の国際線定期便を見てみると、2008年10月にJALが福岡=上海線を運休して以降、国内航空会社の運航便はゼロとなっている。バニラエアの福岡=台北線の後には、スターフライヤーが10月からの冬ダイヤで国際定期便再参入となる福岡=台北線を就航する。

また、福岡=台北線を見てみると、キャセイパシフィック航空やエバー航空、チャイナエアラインのほか、LCCのタイガーエア台湾なども展開している。その中でバニラエアは、日本の航空会社としてのおもてなしやWEBサイトの使いやすさ、シンプルバニラで5,480円からというLCCならではの手軽な価格設定などを強みとして、他社との差別化を図る。

旧エアアジア・ジャパン時代は成田=福岡線を運航していたが、今後の福岡線の展開に関しては国内・国際線ともにまだ検討中としている。そもそも福岡空港は今、混雑や遅延等が常態化しており、現滑走路(2,800m)の西側に2本目となる2,500mの滑走路の増設を計画しているものの、運用開始は2024年度予定という状況だ。まずは、バニラエアにとって新しい市場である九州の人々に知って体験してもらい、福岡=台北線で早期に土台を築くことを目指すとしている。