池袋は繁華街。いくつものデパートや大型電気ショップが並び、あたりを見れば、人・人・人。「ゆっくり、のんびり」などという言葉は到底当てはまるはずがない……。と、思いきや、意外や意外、西口で見つけたのは、似つかわしくないほどに文化的な池袋だ。「フウ」と一息つける空間もちらほら。そんな、「ちょっとのんびりしに」行ってみたくなる池袋散策を紹介しよう。

  • 見たことのない池袋へ!

    見たことのない池袋へ!

池袋に行くなら西側だ!

池袋と言って、多くの人が思い浮かべるのは「サンシャインシティ側」ではないだろうか。つまりは、池袋駅の東側である。確かにイメージとしては間違っていないのだが、それだけで池袋は語れない。いや、池袋を"散策地"として考えるなら、西側こそ、訪れるべき場所と言えるだろう。

とはいえ、西側も駅前はビルが林立し、人通りが多く、雑多な雰囲気がある。しかしそこで、「やっぱり繁華街だ……」と引き返してはいけない。西口の魅力はもう少し奥の方に潜んでいるのだ。

  • 池袋といえば、やっぱりふくろう

    池袋といえば、ふくろう!

西口には、駅前の「東京芸術劇場」を中心に、ぐるっと半円状に散策スポットが並んでいる。それぞれの距離はさほど離れていないため、気合を入れずとも楽しんで歩き回れるだろう。ただ、スポットごとにのんびりと時間を費やしてしまう可能性大。そんな時は、いくつかに絞って訪れてみるのも手だ。

駅前のホテルメトロポリタンの向かいには、見過ごしてしまうほど小さな公園があり、「池袋地名ゆかりの池」の碑が立っている。「その昔、この辺りにはたくさんの池があったために池袋という名になった」という、池袋の歴史を記念している。

  • 小さな公園で、池袋の由来を知る

    小さな公園で、池袋の由来を知る

大正時代の名建築でのんびり

ひとつ目の、のんびりスポットは「自由学園明日館」。「こんなところに本当にあるの?」と思うような住宅街の路地を抜けて行く。ここは、大正10(1921)年に女学校として設立されたもので、当時の建築がそのままに残されている。設計したのは、帝国ホテルの建築家フランク・ロイド・ライト氏と、その弟子。幾何学模様の窓や木の椅子など、年月を経ても斬新でありながら、どこか懐かしいような温もりがある。

  • 春には、桜を含めた数々の花が咲き乱れる。繁華街の灯の届かない住宅街であるため、ライトアップされると桜が光っているように見えるのだという

    春には、桜を含めた数々の花が咲き乱れる。繁華街の灯の届かない住宅街であるため、ライトアップされると桜が光っているように見えるのだという

外観の見学は無料。「喫茶付き見学」(600円)や、夜間の「お酒付き見学」(1,000円)で、ゆっくりと過ごしてみてもいいだろう。桜の名所でもあるため、春にはライトアップされた夜桜も楽しめる。館内にはナチュラルテイストのグッズを扱う「JMショップ」があるほか、様々なワークショップも開催されている。

  •  JMショップの「うふクッキー カルテットエレガント」(360円)。ピンクペッパー、ショコラ、紅茶、カフェのクッキー

    JMショップの「うふクッキー カルテットエレガント」(360円)。ピンクペッパー、ショコラ、紅茶、カフェのクッキー

  • 色合いがかわいいポストカードやバッグなども販売している。写真はポストカード(各250円)

    色合いがかわいいポストカードやバッグなども販売している。写真はポストカード(各250円)

●information
自由学園明日館
東京都豊島区西池袋2-31-3

夜はみんなで「消防庁に行こう」!!

テレビなどで誰もが一度は「災害体験」のシーンを見たことがあるだろう。装置で地震を発生させ、いかに避難するかを体験するものだ。東京消防庁「池袋防災館」では、地震体験や、火災時の煙体験、震災などで倒れた塀に挟まった人を助けるなど、災害時の訓練を無料で受けることができる。

  • 東京消防庁池袋消防署の4~5階が池袋防災館

    東京消防庁池袋消防署の4~5階が池袋防災館

筆者も地震体験を受けてみたが、これは意外と緊張する。実際に激しく揺れると結構怖い。現在の体験装置はハイテクで、取り囲まれた大型スクリーンには東日本大震災発生時の映像が流れている。とてもリアルに2011年を思い出した。

  • 大人も子どもも、外国人も多く訪れていた。体験すると、体験カードをもらえる

    大人も子どもも、外国人も多く訪れていた。体験すると、体験カードをもらえる

2018年4月からは、毎週金曜日に「夜の防災館」として、21時まで防災体験ツアーを開催している。震災は、夜中にも起こりうる。もしかしたらお酒を飲んでいる時に起こるかもしれない。仕事帰りに一杯……ではなく、みんなで防災訓練を受けてみてはいかがだろうか(通常の体験は予約なしでOK。夜の防災館は要電話予約)。

●information
池袋防災館
東京都豊島区西池袋2-37-8

防災訓練でひやりとした後は、甘いスイーツで温めよう。続いては、そんな心に寄り添うスイーツ&ほっこりパンを、そして、池袋西口の顔的存在なあの学校などを紹介したい。