MVNOが手がける格安SIMや格安スマホは、大手3キャリアと比べて月々の料金が安く済むことが好まれ、年々シェアを伸ばしています。しかし、多くのMVNOは料金以外で差別化を図るのが難しい状況に陥っており、価格競争が激化。価格競争は消費者にとって好ましい反面、「業者ごとの違いが見えづらい」「料金以外で選ぶ基準がない」という困った状況にもなっています。
そのようななか、独自性の高いサービスで存在感を高めているMVNOが、TSUTAYAで知られるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)傘下のトーンモバイルです。トーンモバイルは、競合のMVNOが狙う高校生~50代ではなく、いまだスマホの普及率が低い小中学生とシニア世代に着目。両者が安心して使えるための独自機能を盛り込んだスマホを投入し、話題を集めました。
トーンモバイルで特に評価が高いのが、子ども向けスマホです。「子どもにスマホを持たせたいが、使える時間やアプリをしっかり制限したい」と考える保護者の要望を受け、スマホが使える時間を親子で話し合ったうえで決められるAnndroidスマホを発表。子どもが約束を守った場合は高速通信が可能なチケットをプレゼントする特典も用意するなど、親も子どもも満足できる仕組みを整えたことが評価されました。
そのトーンモバイルが、いよいよiPhoneで使える格安SIM「TONE SIM(for iPhone)」を4月に発売し、iPhoneへの展開をスタートします。これまでのAndroid版と同等の制限機能や見守り機能を、学生に絶大な支持を得ているiPhoneでも利用できるようにしたことと、独自の特許を用いて見守り機能を絶対に破られないように工夫したのが特徴です。「親は子どものスマホ利用をちゃんと見守りたい」「子どもはiPhoneを使いたい」という2つのニーズを同時に満たせることから、トーンモバイルが「親と子の両方がWin-Winになる」と力説するのもうなづけます。
競合のMVNOどころか大手キャリアもまだカタチにできていない“絶対に破られない”iPhoneの見守り機能をいち早く実現できたのはなぜなのかを中心に、トーンモバイルの石田宏樹社長に話を伺いました。