会社でコピー機などが必要になった場合に、購入ではなく「レンタルにするかリースにするか」という選択肢もあります。どちらも「借りる」という意味ですが、両者の違いをご存知でしょうか。そこで今回は、レンタルとリースの違いについてご紹介します。

■「レンタル」とは

「レンタル」という言葉を聞いて、CDやDVDのレンタルが頭に浮かぶ人が多いと思います。働いていない人でも「レンタル」は聞き馴染みのあるワードでしょう。不特定多数の人がレンタルを繰り返すため、ほとんどが使いまわされた中古品であり、短期間の利用が特徴的です。

レンタル会社が既に所持しているモノの中から、ユーザーが必要とするモノを必要とする期間、賃貸する取引のことを「レンタル契約」と言います。

「レンタル」のメリット

  • 一度きり、または短期間しか使わないのであれば、購入するよりも安い。
  • 衣装のクリーニングや車検、機器の整備など、保守管理はレンタル会社が行ってくれるため、維持費がかからない。
  • レンタル会社が購入し資産計上するため、企業は全額経費として処理することが可能。
  • 中途解約が可能。ただし、違約金を求められる場合もある。
  • 使用後は返却するため、保管場所を確保する必要がない。

「レンタル」のデメリット

  • レンタル会社が保有している商品の中から選ぶしかない。
  • 基本的にリース料より割高。
  • 基本的に中古品のため、ランニングコストが高い。

■「リース」とは

「リース」は、PCやコピー機、車といった高価な設備を対象としており、企業や学校などで使われることが多いため、働いていない人にとっては馴染みの薄いワードと言えるでしょう。特定の顧客に長期にわたって提供するため、基本的には新品です。

特定の顧客(企業など)が選択した機械設備等をリース会社が購入し、その物件を比較的長期にわたって賃貸する取引のことを「リース契約」と言います。

「リース」のメリット

  • 商品の機種などを指定し、自由に選ぶことができる。
  • 一度に多額の資金を調達する必要がなく、月々一定の金額で済む。
  • リース会社が購入し資産計上するため、企業は全額経費として処理することが可能。
  • 基本的にレンタルより割安。期間満了後の再リース料はさらに割安。
  • 技術革新が激しい現在は、2年もすれば格段に性能が良い製品が登場し、購入した設備が陳腐化してしまう恐れがあるが、その点リースだと、数年ごとに新商品に交換することができる。

「リース」のデメリット

  • 審査が必要。
  • 本体価格以外に固定資産税や保険料、金利、手数料などが含まれるため、総支払い金額でみると購入よりも割高。
  • ユーザー自身が保守管理を行うため、維持費が必要。
  • 原則として中途解約不可。万が一、中途解約する場合には、残りのリース料金を一括で支払う必要がある。
  • 所有権はリース会社にあるため、契約期間満了後はリース会社に物件を返却しなければならない。ただし、リース期間満了後も再リースとして延長することが可能。

■「レンタル」と「リース」の使い方

「レンタル」は、イベントなどの限られた目的のために、その時だけ(短期間)必要とするモノを調達する場合に便利です。例えば、こんな時に適しています。

  • 証券取引所の発会式で、毎年違うデザインの着物を着たい。
  • 招待客に車いすの方がいるため、福祉車両を準備したい。

一方「リース」は、定期的に新製品に入れ替えたり、分割払いでの支払いを前提としている場合に適しています。例えば、こんな使い方ができます。

  • 3年ごとに違った車に乗り換えたい。
  • 最新スペックのパソコンを2年ごとに入れ替えて使いたい。

仕事で使う車両で例えるならば、毎日のように使用する営業車はリースを、出張先で車を使用したい場合にはレンタルになります。


今回は、「レンタル」と「リース」の違いについてご紹介しました。特に起業当初は、必要な設備を全て購入するとなると、かなりの資金が必要となります。購入するのか否か、レンタルにするのかリースか。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、上手に選択するようにしましょう。