浅田次郎の小説『黒書院の六兵衛』がWOWOW連続ドラマ化されることになり、吉川晃司が主演を務めることがこのほど、明らかになった。

  • 吉川晃司(右)と上地雄輔

作家・浅田次郎の時代小説をドラマ化した本作。慶応4年の江戸城無血開城をベースに、時代の波に取り残されそうになりながらも自らの信義を通し、一切口を利かぬまま江戸城内に居座り続ける将軍直属の御書院番士・的矢六兵衛(吉川)と、官軍側についた尾張藩から遣わされ、六兵衛排除の任を負った下級藩士・加倉井隼人(上地雄輔)との交情を静かに、そして熱く描いた異色作である。

全編無言、所作だけで武士の魂を表現する難役に挑む吉川は「ステージでも演技でも普段は動き回っている自分が、今回はセリフもなく動きも最低限。辛抱と受け身の極みをやる。これは大きな賭けだと思いました。『武士道』というものを動く絵にするとこうなる。それを楽しんで観ていただけければと思います」とコメント。"相方"となる上地に対しては「上地くんの苦労も相当なものだと思います。なにせ、喋らない自分の分までセリフを背負わせているので。もはや落語の域ですね。心の中で常に旗を振って感謝応援しています」と労いの言葉をかけた。はたして2人がどのような芝居を見せるのか注目だ。監督は映画『神様はバリにいる』『ボックス!』の李闘士男、脚本は『新参者』の牧野圭祐。