女優の吉高由里子が、初めて検事役に挑む日本テレビ系ドラマ『正義のセ』(4月11日スタート、毎週水曜22:00~ ※初回10分拡大)。放送に先立ち、主演の吉高と原作の同名シリーズ小説を執筆した阿川佐和子がこのほど、都内で取材に応じた。

  • 左から吉高由里子、阿川佐和子

    左から吉高由里子、阿川佐和子

吉高と阿川は5年ほど前、週刊文春の人気連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」で対談して以来の再会となる。しかし、吉高はこの時のことを覚えておらず、「『初めまして』と言ってしまい、いきなり失礼ぶっこんじゃいました(笑)。怒られるかなと思ったら意外と全然怒らない方で、すごく優しい方です」と阿川の優しさにホッとした様子。阿川は「私もよくやるの。昔、小沢昭一さんにやっちゃったことあるのよ」とフォローする優しさを見せていた。

また、吉高は「さっきもずっとお話していたんですけど、こちらから話を引き出すのもできないので、身をゆだねてたらすごく話を聞いてくれ、広げてくれました。本当に『聞く力』があるなと思いましたね」と、同タイトルがベストセラーにもなった阿川の"聞く力"を絶賛する。

そして吉高が「女優業もされて、どこまで広げていくのかと」と語ったように、昨年、TBS系ドラマ『陸王』への出演が大きな話題を呼んだ阿川。記者からも「今回はドラマ出演を考えなかったのか」と質問が及ぶと、阿川は「こないだ『陸王』に出たばっかりなのに、あいつ図に乗りやがってとなるのも嫌ですし、自分の原作でやると強権発動みたいな感じがして。だから今回は遠慮しときました」と苦笑いする。しかし、今までの"アウトサイダー"の立場から"インサイダー"の立場でドラマを経験できたのは「非常に貴重な経験でした」とも明かした。

  • 左から吉高由里子、阿川佐和子

今作は、吉高演じる29歳の新米検事・竹村凜々子が、持ち前の正義感で事件解決に挑み、同僚や家族に支えられながら、一歩ずつ成長していく物語。凜々子は、融通が利かない性格で、正義のために声を出し、喜び、笑い、泣き、怒り、その姿に、つい応援したくなるキャラクターとなっている。

この役柄について、吉高は「本当に一生懸命で熱意あるからこそ、からまってしまうような人物」と分析。その上でドラマについて「見ている人もこんな頑張ってるなら失敗しても成長に繋がるという、『失敗』という概念が変わるドラマになるかな。見ている人が私も頑張ろうかなと思って前向きに考えられるようなドラマにしたいですね」と意気込む。

阿川によると、原作の小説を書くきっかけとなったのは、プライベートで出会った女性検察官だったという。これまで数多くの職種の人物にインタビューしてきた阿川だが、検察官に出会うことはまれであり、やり取りするなかで「厳しくて弱い者いじめする職と見られがちなんだけど、検事には検事の正義があるんだというのを、彼女と出会って知った」ことが執筆に至ったと明かす。

阿川は今回主演を務める吉高について、「5年前にお会いしたときに本当に素敵な人と思ったので、彼女で演じてもらえるのは光栄に思います。覚えてなかったけどね(笑)。吉高さんは声の色合いが豊かなんです」とその演技力に期待を寄せていた。

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