東京メトロは26日、丸ノ内線に新型車両2000系を導入すると発表した。1988年から製造され、約30年間にわたって活躍している現行の車両02系に代わる新型車両として、2019年2月から運行開始し、2022年度までに53編成(計318両)を導入する。
新型車両2000系のデザインコンセプトは「色-Color- 四季に映える鮮やかな挿し色」「形-Form- 活力あるTOKYOのカタチ」「機能-Function- 安心を支える先進の機能」。鉄道車両のデザインを数多く手がけるインダストリアルデザイナー、福田哲夫氏・福田一郎氏の監修の下、さまざまな部門から集まった社員が丸ノ内線の特徴から導き出したキーワード「地上」「活気」「先進的」にもとづき、それぞれの要素を色・形・機能のデザイン3要素に織り込み、車両コンセプトを策定したという。
外観デザインについて「世界有数の大都市"TOKYO"に活力を与えるインパクトのある形状や四季に映える鮮やかなグローイング・スカーレットを車体カラーに取り入れるなど斬新なデザインとしました」と東京メトロ。丸ノ内線の代名詞「サインウェーブ」も織り込んだ。車端部の窓には同社初という丸窓を採用している。
車内の座席は1人あたりの幅を拡大し、クッション性も改良。6両編成の全車両にフリースペースと小物が置けるテーブル、荷物掛け、さらに携帯電話など小電力の充電が可能なコンセントも2口設置する。連結面や座席横の仕切り、荷棚を透明な強化ガラスとすることで車内の見通しを改善し、球面形状の天井パネルで開放的な車内空間を演出する。各ドア上部に17インチワイド液晶の車内表示器を3画面搭載し、乗換案内などの情報を提供。これまでより約1.4倍の冷房能力を持った冷房装置も導入するなど車内快適性の向上を図り、犯罪行為の未然防止のためセキュリティカメラも設置する。
銀座線1000系で培った技術をさらに発展させた最新技術も採用。曲線走行時の安全性向上とキシリ音を低減する片軸操舵台車、大規模停電などの異常時に駅間で停止しても最寄り駅まで走行できる非常走行用バッテリー、万一脱線した場合に自動で列車を停止させる脱線検知装置、走行中の車両各装置の動作情報を車両基地や総合指令所などに常時伝送する車両情報管理装置を搭載し、安全・安定性向上に努める。
遅延回復などに効果のあるCBTC(無線式列車制御システム)、通話品質・データ通信などの機能向上が可能なデジタル空間波無線も搭載できる構造に。CBTCについては2022年度の稼動をめざしており、新型車両2000系の導入後、CBTCの試験運用を経て、本稼動に向けた準備を進めるとしている。