米アカデミー賞で日本人初のメイクアップ&ヘアスタイリング賞(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)を受賞した辻一弘氏が、25日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~11:15)にゲスト出演し、映画界から離れていた理由について語った。

松本人志

『ワイドナショー』でレギュラーを務めるダウンタウン・松本人志

これまで『もしも昨日が選べたら』(06)、『マッド・ファット・ワイフ』(07)で2度ノミネートされ、受賞を逃していた辻氏。その後は現代美術家に転身したが、同作で主演男優賞を受賞したゲイリー・オールドマンからの熱烈オファーにより復帰した。

一時は離れていた映画界。その理由を聞かれた辻氏は、「いろんな理由があった」と切り出し、「わがままな役者と仕事をするのが疲れた。誰とは言わないですけど」と笑いながら告白。ある役者からは「昨日と違う」とクレームを入れられることもあったという。ゲストコメンテーター・武田鉄矢の「一流の人は待てる。俺はまだそこまでいってないけど」に、辻氏は「わりと大きい名前の人は文句が多いです」とぶっちゃけ、笑いを誘った。また、自分がやろうとしていることが周囲のスタッフの意見によって変わってしまうことがあったのも理由の1つで、「自分が作りたいものをちゃんと作りたいと思って辞めました」。

そんな辻氏はゲイリー・オールドマンを「あの人はすごいです。今まで仕事した中で一番紳士的。メイクの大事さも知っている」と絶賛する。メイク中に携帯や映画を観る役者がいる中、ゲイリー・オールドマンは余計な手間と時間がかかってしまうことを理解しているため、メイクが完成するまで何もせずじっと待っていたそうだ。ちなみに、同作で演じたウィンストン・チャーチルのメイクは3時間15分を要するという。

辻氏からオスカー像を手渡され「思ってる以上に重いですね!」と興奮していたお笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志。役者に振り回されていた辻氏に「人に疲れちゃって……」と同情し、「なんでこんな番組に出ようと?」と出演の経緯を探ると、辻氏は「一応、この番組は見させてもらっています」と番組のファンであることを明かし、「すばらしい映画なのでみなさんに見てもらいたい」と呼びかけていた。