新入学、新学期のシーズンです。受験が終わってほっとしたのもつかの間、その後の入学金や授業料の支払いでどこから捻出をしようか悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。それ以外にも、制服代や定期代といったある程度まとまったお金だけではなく、部活動する場合は、ユニフォーム代や遠征費など細々とした出費も考えられます。
受験生の場合は塾代も相当な出費です。月謝の他に春休み、夏休み、冬休み中の講習や特別講習といったオプションも増えていきます。また、受験料やその後の入学金も計算に入れながらこの1年間の貯蓄計画を立てるようにしましょう。
そしてまたこの時期は習い事を見直す時期としても最適です。発表会がある習い事ですと途中から抜けるのが難しくなってしまいがちです。お子さんとも相談しながら習い事を減らして、その分を後にかかる教育費にシフトさせるのが理想的とも言えます。
支援制度を活用して授業料の負担を減らす
授業料の負担が気になる場合、収入によっては高等学校等就学支援金制度を利用することができます。対象は親権者の市町村民税所得割額が30万4,200円未満の世帯(目安は約910万円未満)です。
支給額は公立高校では全日制は月額9,900円、定時制は月額2,700円、通信制は月額520円、私立高校では全日制、定時制、通信制共に月額9,900円です。私立高校等の生徒の場合は、世帯年収によって就学支援金が加算されて支給されます。
どちらも返済不要で、原則学校が生徒本人に代わって受け取り、授業料と相殺されます。受給をするためには申請をしなければ受けることができません。平成30年度分は、4月の入学時に高校から申請書が配布されますので、該当する場合は手続きをします。この申請は在学中毎年する必要がありますので、忘れないようにしましょう。
東京都私学財団では、都民の教育費負担の軽減事業を行っています。東京都民かつ都内の私立小・中学校、特別支援学校小・中学部に在学しており、年収約400万円未満の世帯であることなどを条件に、年額10万円を学校が保護者に代わって受領し、授業料が減額されます。返済は不要です。
同財団では、私立高等学校等授業料軽減助成金事業も行っており、年収目安約760万円未満の世帯に対して、国の「就学支援金」と合わせて、44万2,000円(都内私立高校平均授業料相当)まで助成されます。他にも、私立高等学校等少額給付金事業、入学支度金貸付事業なども行っていますので、必要な場合は申請しましょう。
塾費用や受験料が無利子で借りられる
東京都福祉保健局では、「受験生チャレンジ支援貸付事業」を行っています。中学3年生、高校3年生またはこれに準ずる人を対象として、一定所得以下の世帯に学習塾、各種受験対策講座、通信講座、補修教室の受講料や、高校や大学などの受験料を貸し付けています。さらに、高校・大学に入学した場合は、返済が免除されます。
また、大阪市塾代助成事業運営事務局では塾代助成事業として、一定の所得要件を満たしかつ市内在住中学生の約5割を対象として学習塾や家庭教師、文化・スポーツ教室等の学校外教育にかかる費用、月額1万円を上限に助成をしています。
返済不要の給付型奨学金もある
「夢を応援基金『ひとり親家庭支援奨学金制度』」は、一般財団法人全国母子寡婦福祉団体協議会(全母子協)が運営し、ローソングループの協力のもと、ひとり親(母子)家庭等の学生を支援しています。中学3年生、高校・高等専門学校の1~3年生、各学年100名、計400人を対象に、夢を実現するための意欲があり、社会への貢献を希望する生徒などが対象に選考します。月額給付(返還不要)はひとりにつき3万円です。
あらかじめ先を見据えて教育資金を貯めておくことも大切ですが、こうした制度を利用してお子さんの教育費を確保することも一つの手段と言えるでしょう。制度は自動的にお金が助成されるものではありません。必ず申請が必要となりますので、必要書類と期限を守りましょう。
※給付額や所得額などは年度によって変更されることもありますので、各事業所のHPなどで確認をしましょう。
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