進学や就職、転勤などで、これまで土地勘のない場所で一人暮らしを始める人もいるかもしれません。でも、知らない場所での部屋探しは不安だし、大変。自分の学校や勤務先に通うときにどこが便利なのか、また住みやすい街はどこなのか。遠方からの引っ越しの際の部屋探しのヒントをまとめました。

ネットを駆使して、沿線・エリアを決めよう

遠方からの部屋探しは、時間に制限があることが多いです。やみくもに探しても、時間を浪費するだけになってしまうことも。不動産会社と連絡を取る前に、インターネットを使って情報収集をしましょう。まずは自分の通う学校や勤務先といった目的地のある駅からの路線図を見てみましょう。その駅や沿線に住めるのが理想ですが、主要駅付近だと家賃は高くなります。目的地、その数駅先、一度乗り換えた先といったように、いくつかの駅にあたりをつけ、通学・通勤にかかる時間と家賃相場を調べてみます。

通学・通勤にかかる時間は、Googleマップなどを使えば、乗り換え時間や運賃も含めて調べることができます。遠くへ行けば家賃が安くなることもありますが、あまり時間がかかっても負担です。どんなに遠くても1時間以内がベター。また運賃が高くなると、せっかく家賃が安くても、むしろ損をしてしまうことも。家賃相場は物件検索サイトを使い、希望の条件を入力して、どのくらいの部屋が見つかるかを調べます。検索結果が少ない場合は、条件に無理がある可能性が高いです。その場合は少しエリアを広げて検索をしてみましょう。

土地勘のない場所での部屋探し、こんな失敗が!

土地勘のない場所での部屋探しでやってしまいがちなのは、「この駅は名前を聞いたことがあるから良さそう」と思い込んでしまうこと。「東京・新宿」というと、都心で便利そうに思うかもしれませんが、オフィス街にある部屋だとスーパーやドラッグストアなど日用品を買うお店がなかったり、繁華街だと治安が不安だったりします。

できれば部屋の内見をするときに、最寄りの駅や物件の周辺を歩いて回るのが理想。さらに日中だけでなく、夜も見ておけたら安心です。どうしても時間に余裕がない場合は、Googleマップを使って、近所のお店を調べたり、ストリートビューで駅までの道をたどってみると、雰囲気などを感じられます。また、地方から東京に出てくると、通勤ラッシュのひどさに驚くといいます。息もできないほどのラッシュは苦痛でしかありません。ただ、東京でも混雑している路線とそうでない路線はあります。国土交通省の調査で「主要区間の混雑率」というものを公表しています。目的地までの路線はどのくらいか調べておくと安心です。

暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー:河野真希
ウェブや雑誌など各種メディアで、料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを目指すライフスタイルを提案。著書に『ひとり暮らしの季節ごよみ』(祥伝社)、監修本に『家事のお手本-大人のたしなみ賢いくらし』(泉書房)『頑張らなくても素敵に暮らせる「夜だけ家事」で快適シンプル生活』(双葉社)などがある。
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