インターネットイニシアティブ(IIJ)は3月15日、法人向けモバイルデータ通信サービス「IIJモバイルサービス/タイプI」の提供を開始した。IIJがフルMVNOとして提供する初の法人向けサービスとなっている。
フルMVNOとは、通常キャリアが管理しているSIMカードと携帯電話サービスの加入者を紐付ける情報(加入者管理情報。HLR/HSS)を、MVNOが管理するというもの。これにより、MVNO独自のSIMカードが発行可能となり、より柔軟で独自性のある通信サービスを展開できる。IIJモバイルサービス/タイプIは、その第一弾だ。
IIJモバイルサービス/タイプIでは、SIMを開通(アクティブ)と中断(サスペンド)で自由に設定できる「SIMライフサイクル管理」を提供する。たとえばSIMを組み込んだ製品を製造・販売する場合、製品の出荷から販売までの在庫期間はSIMをサスペンドに、製品を購入したユーザーが、製品を起動したタイミングでSIMをアクティブにし、通信できるようにするといったことが可能だ。在庫期間中にSIMをサスペンドにしておくことでSIMの管理費用を節約でき、不要・不正な利用も防ぐ。
初期費用は1回線あたり3,000円(以下すべて税別)。プランとして、定額プランとパケットシェアプランを用意した。定額プランでは、データ通信容量を1回線ごとに設定できる。設定した通信容量を超えた場合は通信速度が256kbpsに切り替わり、余った場合は翌月に繰り越せる。料金は10GBで3,200円、15GBで3,900円、20GBで4,400円、30GBで6,600円、50GBで10,500円。
パケットシェアプランでは、複数の回線でまとまったデータ通信容量を共有する。契約した通信容量を超えた際の回線動作は、3つのパックから選択可能だ。ただちにデータ通信を停止するパケットパックA、通信速度を低速(256kbps)に切り替えるパケットパックB、超過した分を従量課金(1GBで700円)するパケットパックCの3種類を用意した。パケットパックAは500円/1GB、パケットパックBは550円/1GB、パケットパックCは500円/1GB。
回線ごとに、IPアドレスのタイプをNAT、グローバルIPv4、固定グローバルIPv4から自由に決められる。NATは0円、グローバルIPv4は1回線あたり200円、固定グローバルIPv4は1回線あたり800円。
アクティブ時の月額料金の一例として、1回線を定額プラン10GB、動的グローバルIPアドレスで契約した場合を想定する。SIM基本費用が200円、通信料金(定額プラン10GB)が3,200円、ネットワークタイプ費用(動的グローバルIPアドレス)が200円で、ひと月あたり合計3,600円となる。
上りの高速データ通信容量を制限しない「上り優先オプション」も2,700円で提供。契約した通信量を超えても、上り通信は速度制限がかからない(下り通信は256kbpsになる)。
なお3月15日から6月30日までに、新規でIIJモバイルサービスに申し込んだユーザー(先着10,000回線)に、無料トライアルキャンペーンを実施。初期費用はかからず、月額利用料金も最大3カ月無料となる。
IIJは3月15日に発表会を開催している。発表会の様子とサービスの詳細は追ってお伝えしたい。