国土交通省は3月14日、運航乗務員の不適切な行為及び不十分な運航乗務員の健康管理を理由として、ソラシドエアに対して厳重注意を行い、必要な再発防止策を報告するよう指示した。
同件は2月24日、ソラシドエア所属の機長が乗務する機材の到着を固定橋で待っていたところ、体調不良により一時的に倒れ込んだもののすぐに体調が回復したため、SNJ39便(羽田発/長崎着)及び折り返し便であるSNJ42便(長崎発/羽田着)に乗務したというもので、2月27日に同社から航空局に報告があった。
状況としては、機長は一過性のものと自己判断し、航空身体検査基準に適合しなくなったおそれのある状態で同便に乗務した。副操縦士は、機長が正常な乗務をできないおそれがあったにも関わらず、機長の一連の様子から乗務に支障がないものと判断した。運航乗員部は、SNJ39便の到着後に機長等からの報告を受けて、機長が正常な乗務をできないおそれがあったにも関わらず、健康管理部門等への情報提供、乗務停止等の必要な措置を講じず、機長にSNJ42便の乗務をさせた。
航空局において内容を確認してきた結果、上記事案に関しては、運航乗務員の不適切な行為及び不十分な運航乗務員の健康管理が認められたとしている。これらは、機長が正常な乗務をできないおそれがある状況で運航され、航空機の運航の安全性に影響を及ぼしかねず、航空法第71条に抵触するおそれがあるとともに、同法104条の運航規程に違反するものと航空局は判断した。
同件に対して航空局は、「このような不適切な行為等が行われたことは極めて遺憾であり、厳重に注意する」としており、今後このような事態が起こらないよう、同事案が発生した原因を調査し、必要な再発防止策を検討の上、4月11日までに文書にて報告をソラシドエアに求めた。航空局としては、同社において再発防止が確実に図られ安全運航のための体制が維持されるよう、引き続き厳格に指導監督を行うとしている。