ジャーナリストの池上彰氏が、最近大きな話題になっているニュースの数々、そして今さら 「知らない」とは恥ずかしくて言えないニュースの数々を分かりやすく解説する『池上彰のニュースそうだったのか!!』。10日(18:56〜20:54)の放送回では、「世界地図で知る日本」と題し、自然や環境問題、原発や中東紛争などの実情、意外な事実を「地図」を用いて説明していった。

  • 池上彰氏

    池上彰氏=テレビ朝日提供

「世界地図で知る日本」というテーマについて、テレビ朝日の丹羽敦子プロデューサーは「 シリアの最新情報をちゃんと解説しようよ、と池上さんが言いだしたのが発端ですね」と明かす。実際に番組冒頭でも池上氏は、「世界では大ニュースなのに、日本ではほとんどニュースに なってないことがある」という趣旨の発言をしている。ヨーロッパやアメリカなどからすると、シリアなどの中東問題はかなり大きなニュースのようだ。

しかし、日本人の多くにとってはなじみのない話題。丹羽Pも「とはいえ、"ヒズボラ"(イスラム系シーア派の武装組織)と言われて分かる人は、日本にほとんどいないですし、"クルド人"とか"シーア派"と言われても『???』ですよね?」と語る。こういった背景がありつつも、 どうすれば知らない人にも分かりやすく伝えられるか、池上氏の熱意をなんとか番組にできないかと考えた結果、あみ出されたのが「世界地図で知る」という手法だいう。

丹羽Pは「この企画は今回が初登場なので、評判が良ければ続編も登場するかもしれませんし、そうでなければなくなるかもしれません(笑)」と振り返る今回の企画。放送では一般的 なメルカトル図法(※一般的に使用される三次元の球体を長方形で表した方式)の地図をはじめ、地球儀図でより立体的に各国を表示させたりと、様々な地図が登場した。

地図はどのように使い分けていたのだろうか。丹羽Pによると、「基準は"わかりやすさ"です。やっぱりメルカトル図法に日本人は一番慣れているので、頭に入ってきやすいと思うんです。でも、実際には地球は球体で、ロシアもあんな大きくはない。日本中心の地図だとかなり遠く見えるヨーロッパとアメリカも実は近いですよね。そういうことを見せたほうがドキッとするだろうな、というときは立体にしました」とのこと。

  • 池上彰氏

また、こういった視聴者により分かりやすく説明するための演出には、やはり池上氏との打ち合わせで磨かれる部分もあるという。「『これ見にくいよねー』とかしれっと言われますし 、打ち合わせをしていく中で見えてきますね」(丹羽P)。しかし池上氏からはこんな要望もあったようだ。

「池上さんは模型が好きなので、『地球儀がさ、パかっと開いてさ、それで ……』といったように、立体を使ってスタジオで解説したいとよくおっしゃるんです。しかしそこは予算との兼ね合いもありまして、今回は映像上の立体で我慢していただきました(笑)」 と丹羽Pが裏事情を明かした。

今後、番組で池上氏の要望通り、模型が登場するのかにも注目。 次回(24日18:56~)は「実は知らない数字で知る日本」と題し、薬や保険のこと、公務員についてなど、「日本に住んでいたら知ってるはずなのに実は知らないこと」を数字を使ってわかりやすく解説していく予定だ。