ウルトラマンシリーズの最新映画『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』の公開に先駆けた3月2日、東京・新宿ピカデリーにて、舞台あいさつ付き特別先行上映イベント「ジーッとしないで応援しようぜ! 応援上映お披露目上映会」が開催された。

  • 客席でファンの子どもたちに囲まれ笑顔を見せる小澤雄太(左)と長谷川眞優

『ジード』の人気キャラクターであるペガッサ星人の子ども・ペガが考案したというこの「応援上映」は、怪獣に立ち向かうウルトラヒーローを大きな声で応援してもOKな上に、コスプレOK、玩具(ジードライザーやオーブリング、ウルトラゼロアイなど)の持ち込みもOK。ウルトラヒーローを愛する大人から子どもまで幅広い年代のファンが、心をひとつにして盛り上がることができるイベントである。

昨年の『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』(2017年公開)でも一部の劇場で試みられて大評判だった「応援上映」が、今年もまた踏襲されることになったわけだ。

特別先行上映会の舞台あいさつには、ウルトラマンゼロと身体を共有する善良なサラリーマン・伊賀栗レイト役・小澤雄太と、地球上で犯罪を行う異星人を密かに取り締まる組織「AIB」のエージェントを務める愛崎モア役・長谷川眞優が登壇し、会場に集まった大勢の子どもたちから元気いっぱいの声援を受けていた。

本作は、2017年7月から12月までテレビ東京系で放送された連続テレビシリーズ『ウルトラマンジード』の後を受けた劇場版で、全宇宙の知的生命体を滅ぼそうとする強大な敵・巨大人工頭脳ギルバリスとギャラクトロン軍団を阻止するべく、ウルトラマンジード、そしてウルトラマンオーブ、ウルトラマンゼロ、ジャグラス ジャグラー(魔人態)が勢ぞろいするという内容。テレビシリーズの最終章と同じく沖縄へのロケーションが敢行され、まばゆい太陽や青く澄み切った海をはじめ、沖縄ならではの雄大で美しい風景を舞台に、大スケールの決戦が繰り広げられている。

ふだんは真面目で少し気が弱く、妻ルミナと幼い娘マユのよき父親として毎日仕事を頑張っているサラリーマンだが、合体しているウルトラマンゼロの意識が表に出ると強気な性格に変貌する伊賀栗レイト役・小澤雄太は、今回の映画について「みんなで一生懸命作った気持ちが、すべての映像に表れていると思います。リクくんが、仲間たちの思いを背負って戦うシーンをはじめ、見どころが満載された作品です!」と、キャスト、スタッフすべての熱意が込められた映画の出来栄えを、レイトになりきって語った。

映画では、テレビ最終章と並行して沖縄へのロケが敢行されたが、沖縄でのエピソードを問われた小澤は「撮影に入る前に1日休みがありまして、モアさんと一緒に沖縄観光に出かけたんです。そこで『ブルーシール』ってアイスクリーム屋さんに行ったのがいい思い出になりました。でも、ルミナさんとマユには(アイスを東京に)持って帰れないなぁ~なんて思って、残念でしたね!」と、ここでも家族思いのレイトの気持ちを代弁するかのようにコメントした。

劇団EXILE所属で、特技のブレイクダンスを生かしてテレビシリーズでも激しいアクションをこなした小澤は、ゼロの意志が表に出ているときは力強い立ち回りをする一方で、レイトの状態だと、バナナの皮を踏んで滑って転ぶといったコミカルな動きをダイナミックに決めるなど、さすがの身体能力を駆使した抜群のパフォーマンス力を見せていた。

映画でのアクションシーンについて小澤は、「1から100までジャグラーさんにお任せでした。ジャグラーさんは『俺、何もしてないよ』って言いますけど、ジャグラーさんはホントにカッコよくアクションしていましたよ!」と、『ウルトラマンオーブ』でガイのライバル役として存在感を発揮したジャグラス ジャグラー役・青柳尊哉とのコンビネーションをアピール。客席から「レイトもカッコいいよ!」というフォローの声援と拍手が聞こえてきて、小澤が「ありがとうございます!」と感謝する場面も見られた。

ウルトラマンジードこと朝倉リクとは幼なじみで、異星人犯罪を取り締まるAIBのエージェントながら、常に陽気さを忘れない"天然"なお姉さん・愛崎モアを演じる長谷川眞優は「テレビシリーズが終わってもう3か月が経ち、私の中ですごく"ジードロス"が激しくて……みなさんはどうですか?」と、テレビの放送が終わって寂しい気持ちになっていることを明かした。また、「テレビ最終回を受け継いだ今度の映画が、本当のフィナーレだと思っています。みんなで一緒に頑張った作品です。これで終わっちゃうのかな……という寂しさもありますけれど、みなさんに見てもらえることがすごく嬉しいです!」と、劇場の大スクリーンでたくさんの子どもたちと再会できる喜びがあることにも触れた。

「沖縄ロケではどんな料理が美味しかったか?」という質問に対して、長谷川は「ソーキそばですね!」と即答。続けて「みなさん、フーチバー(よもぎ)って知ってますか? 私はこれが、かなり衝撃的……でした……(笑)」と、美味しい沖縄料理の中でもちょっと苦手なものがあったことを告白して、小澤に笑われる一幕があった。

宇宙人と戦う機会の多いAIBだが、カッコいいアクションを行うのは主に先輩のシャドー星人ゼナ(演:岩田栄慶)であり、モアはもっぱらサポートを担当。しかし今回の映画では、モアも果敢に悪い宇宙人を相手に激しいアクションに挑戦している。これについて長谷川は「アクションシーンは初めての経験で、緊張してしまって動けず、みんなから心配されていました(笑)」と、慣れないアクションに体当たりで臨んだことをはにかみながら話した。

美しい女性が男顔負けのハードアクションをこなす演出を得意とする坂本浩一監督の映画だけに、長谷川も劇中でスマートな銃さばきを披露する場面があるという。このガンアクションについては、「もうずっと(銃を撃つ)練習をしていました。昼食のときも練習をしたかったのですが、銃の小道具がそのときなかったんですね。そうしたら坂本監督が近くに置いてあったお菓子の『鳩サブレ』を銃の代わりに持って、2人で『バン! バン!』って撃つ練習をしました(笑)」と、思わぬ代用品で銃の練習をしていたことを明らかにして、客席があたたかい笑いに包まれた。

今回の「応援上映」は、リクの友人・ペガッサ星人のペガが考案したという設定ゆえ、画面上で子どもたちに大きな声を出してもらいたいところではペガがメガホンを持って応援を呼びかけるマークが登場し、大勢で声を合わせるタイミングがはかりやすいよう工夫がなされている。上映に先だって、小澤と長谷川に向かって子どもたちが応援の練習をすることになり、元気のいい「レイトさーん!」「モアちゃーん!」の声を浴びせられた2人は「凄いですね! 元気よくて!」「嬉しい~! これ何回もやってほしい!」と大喜びしていた。

フォトセッションのあと、突然小澤の様子が変化。まるで自分の身体が抑えられないような……。レイトと合体しているウルトラマンゼロの意識が表面に出て、レイトのコントロールがきかなくなるという、『ジード』おなじみのワンシーンである。ゼロになりきった小澤はメガネを外し、雰囲気もガラリと変わってヒーロー調になり「おいレイト、お前、なんかやるんじゃなかったのか?」と一言。これを受け、ふたたびレイトに戻った小澤は「忘れてたぁ~!」と舞台袖から花束を持ってきた。

これは、ふだん造花作りの内職をしているペガ(※『ウルトラセブン』第6話「ダーク・ゾーン」での劇中セリフを元にした、かなり通好みな設定)の作った、特製の花束だという。実は、2月28日に誕生日を迎えた長谷川に、小澤たちがサプライズで花束を贈呈しようという趣向だったのだ。そしてさらなるサプライズとして、ステージには坂本浩一監督が急きょ登壇し、坂本監督の手から長谷川へと花束が贈られた。小澤や客席からの「おめでとう」コールと拍手を受け、花束を手にした長谷川の目には感激の涙が光っていた。

最後に、MCから「ウルトラマンゼロの変身ポーズを」とリクエストされた小澤は、「しょうがねえな、お前らのために一緒に変身してやろう!」と、ふたたびゼロのセリフで承諾。子どもたちと一緒に、ゼロの決めゼリフ「俺に限界はねえ!」をもじった「俺たちに限界はねえ!」とコールしながら「ウルトラゼロアイ」を目にかざすアクションを行い、客席を大いに盛り上げた。

映画『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』は、3月10日より全国劇場にてロードショー公開。通常上映のほか、「ジーッとしないで応援しようぜ!」と銘打った「応援上映」が東京・新宿ピカデリーおよびMOVIX亀有、大阪・なんばパークスシネマなど全国7劇場で、3月14日、3月21日、3月28日に実施される。「応援上映」では、上映中の発生・応援OK、玩具の持ち込みOK、サイリウム・ペンライト持ち込みOK、コスプレOKとなる。実施される劇場などの詳細は、公式サイトを参照していただきたい。