タニタは8日、健康的な食を提供するタニタ食堂に続く新業態として「タニタカフェ」を展開すると発表した。旗艦店となる1号店「タニタカフェ有楽町店」を5月下旬にオープンする。2022年度までにフランチャイズ店、メニュー提供店を合わせ、全国100店舗の展開を目指す。タニタカフェのウリは何か。
タニタカフェの強み
タニタカフェは心の健康づくりを重視したカフェ。おいしいものと過ごす時間が心の健康につながるという考えのもと、タニタ食堂のようにカロリー調整をしたメニューではなく、カロリーや塩分量などにとらわれないオリジナルメニューを提供する店舗となる。
想定するメインターゲットは20-30代の女性。カフェを通じて客層を拡大したい考えだが、ターゲットを広げるとはいえ、ジャンクフードを提供するわけではない。
タニタカフェはヘルシーなメニューを提供するのがコンセプト。店舗展開にあたって、楽天と食分野で提携し、農業事業「Rakuten Ragri」に参画する生産者から直送された旬の有機野菜を使ったメニューを提供する。
タニタによれば、有機野菜は日本で約0.2%しか栽培されていない無農薬・無化学肥料のオーガニック野菜で、有機JAS認定の安心・安全、旬の時期に収穫された産地直送の新鮮なものを使用する。
具体的なメニューは、こうした野菜を7-8種類使った「有機野菜ともち麦のサラダボウル」、「有機野菜と和だしの米麺(フォー)」のほか、一汁三菜のワンプレートランチ、スイーツなどを提供予定。サラダボウルもフォーも1日に必要な野菜の約半分を一食で摂れるとし、ヘルシー路線はタニタ食堂と同じといえそうだ。
ドリンクメニューにもこだわり、ポリフェノールの一種となるクロロゲン酸を通常コーヒーより2倍多く含む「タニタコーヒー プレミアムブレンド」や、噛む食感にこだわったスムージー「カムージー」を提供する。
ビジネス拡大に向けて
タニタは2022年度までにタニタカフェを100店舗まで増やす計画だ。店舗計画にはフランチャイズ店ほか、メニュー提供店として小売店や飲食店、セレクトショップ、スポーツジム、クリニックなどへの併設店も展開していく。
また、オフィス向けコーヒーサービスの提供を計画していたり、カップサラダなど楽天との共同開発メニューについて、楽天のネット販売網を活用して販売したり、楽天以外ともコラボ商品の開発も進めていく。
店舗展開にとどまらないビジネス拡大への構想を描くが、課題もありそうだ。先に挙げたフォーは900-1200円、カムージーは500-700円を想定する。こだわりの有機野菜の使用、カフェという業態から、妥当な価格レンジかもしれないが、客層拡大につながる価格設定にできるか、調整に苦慮しそうだ。5月下旬に1号店がオープン、その前にテイクアウト専門のパイロット店舗を東京都渋谷区千駄ヶ谷のニュウマン新宿に3月23日から5月中旬まで期間限定でオープンする。 果たしてこれらの店舗でどんな反響を得るだろうか。