京王電鉄は3月13日、京王線(動物園線)多摩動物公園駅前にこども向けの全天候型遊戯施設「京王あそびの森 HUGHUG」をオープンする。このほど報道陣向け内覧会とラッピングトレインの展示会が実施された。

  • 7000系のラッピングトレインが多摩動物公園駅に入線

7000系ラッピングトレインは動物がいっぱい

動物園線のラッピングトレインは7000系4両編成(7801編成)。「京王あそびの森 HUGHUG」「京王れーるランド」と多摩動物公園の3施設合同によるラッピングを施された列車が高幡不動駅と多摩動物公園駅との間を結ぶことになった。あわせて高幡不動駅では、1番線ホームとコンコース階に3施設のキャラクターが施されている。

車体にラッピングを施しただけでなく、車内も動物の装飾であふれていた。座席は車両ごとに異なる4種類の動物がモチーフとなっており、吊り革も動物の柄が採用されている。ヘッドマークは多摩動物公園エリアの名称「キッズパークたまどう」の名称が記された。このエリアの活性化が期待できそうだ。

  • ラッピングトレインの車内には動物の装飾が施された。車体前面にヘッドマークも付く

なぜ京王電鉄はこども向けの施設を作ったのか

「キッズパークたまどう」の名称は、「京王あそびの森 HUGHUG」「京王れーるランド」と多摩動物公園の3施設とその周辺エリアの総称として、街全体がスケールの大きな遊びの公園になるようにとの思いを込めて名づけられたという。

間もなくオープンする「京王あそびの森 HUGHUG」は、周辺の施設と合わせてこどもたちがめいっぱい遊べる場所として作られた。木のぬくもりにつつまれた場所で、「ハグ(HUG)」するように愛情をもって「育む」施設として、この名称が付けられた。

  • 「京王あそびの森 HUGHUG」の外観

では、なぜ京王電鉄は「京王あそびの森 HUGHUG」を作ったのか。同社はこれまで、沿線の少子高齢化にともない、生活支援サービスを多面的に展開してきた。少子化に対しては子育て支援施設の開発(保育園や学童施設の運営など)を行い、高齢者に対しては高齢者向け住宅の開発を行った。それにより、沿線価値を向上させ、「住んでもらえる、選んでもらえる沿線」になることをめざしている。

少子化がさらに進み、人口減少が課題となっている現状の中で、子育て世代の沿線への流入を促進させることが、京王電鉄の発展のためにも必要になっているという。そのためには子育てしやすい環境づくりが必要、というのが京王電鉄の考えである。

そのことを念頭に置きながら、こども向け屋内型遊戯施設の開発が計画された。質の高い遊び場や安全に配慮された環境を整備することにより、こどもたちの健やかな成長を支援し、子育て世代を支援しようというのだ。「京王あそびの森 HUGHUG」を中心に、新しいレジャーエリアとして多摩動物公園エリアを開発し、子育てしやすい沿線とし、多世代が交流するまちづくりで沿線価値を高めるというのが京王のねらいである。

  • ミニSL「ハグハグトレイン」

  • トイレは5000系のデザイン

  • 公式キャラクター「ハグー」

「京王あそびの森 HUGHUG」には、巨大なネット遊具や大型複合遊具だけではなく、建物内を周回するミニSLもある。全周200mながら鉄橋やトンネル、踏切などがあり、光や音の演出でこどもたちを楽しませる。

高幡不動駅から7000系のラッピングトレインに乗り、多摩動物公園駅に降りたったこどもたちは多摩動物公園の動物に興味を持ち、「京王れーるランド」で鉄道を見て喜び、「京王あそびの森 HUGHUG」でめいっぱい遊ぶ。多摩動物公園エリアにこのような環境を持つことで、京王線沿線は新たな住民を引き寄せるようになる。