「先方のコンセンサスを取っておけ」と上司に言われたけれど、一体何を取ればいいんだろう……? ビジネスシーンで頻繁に登場するカタカナ言葉、今回は「コンセンサス」の意味と使い方について見ていきましょう。

  • コンセンサスの意味とは?

「コンセンサス」の意味

コンセンサス(consensus)は、「複数の人による合意」「意見の一致」という意味です。関係する全員の合意が求められるときに、「コンセンサスを取る」「コンセンサスを得る」といった使い方をします。コンセンサスは反対意見が全くない「全会一致」の状態のときに使われる言葉なので、その意味では反対意見も存在する「多数決」とは異なります。

政治では「国民的合意」を「ナショナルコンセンサス」と言い、その合意に基づいて行われる政治のことを「コンセンサスポリティックス」などと呼びます。また、金融や経済の分野でもよくコンセンサスという単語が使われますが、これは1株あたりの利益や配当などを市場アナリストたちが予想した平均値のことで、「市場コンセンサス」とも言います。

ビジネスシーンでの「コンセンサス」

オフィスでよく使われるコンセンサスは、「前もって関係者全員に確認して合意を得ておく」という場合に使われることも多いようです。

例えば「コンセンサス取れてる? 」などと上司に聞かれた場合、「先方の合意はきっちりもらっているか」「関係者全員に説明して納得を得た上での話か」「誰かから反対意見が出て途中でストップがかかるような、見切り発車の状態は回避されているか」という大事な確認なので、間違いなく「コンセンサスが取れている」と報告できる状態にしておく必要があります。

会議やプロジェクトを円滑に進めるために、前もってコンセンサスを取っておくように頼まれた場合には、関係者全員への事前の「根回し」のニュアンスを暗に含んでいます。

コンセンサスゲーム

新入社員研修やグループワークなどでよく行われる、「コンセンサスゲーム」というプログラムがあります。これは、5名程度でグループを組んである課題について話し合い、グループ全員で制限時間内に1つの結論を導き出すというコミュニケーションゲームです。

このゲームのポイントは、たとえグループ内で対立する意見が出たとしても、必ず話し合いで「全員の合意=コンセンサス」までもっていくことが目的だというところです。グループでコンセンサスを得ることの難しさやその方法、率直に意見を交換しあって考えること、コミュニケーションスキルの重要性など、さまざまなことを理解し感じさせるために有効な手法とされています。

「コンセンサス」の例文

  • 「この商品の方向性について、広報部とのコンセンサス取れてるかな?」
  • 「今度の会議までに、全員のコンセンサスを取っておいて」
  • 「この件は、◯◯社とのコンセンサスを得ています」

社内にしろ社外にしろ、多くの人のコンセンサスを得る作業というのは、仕事を円滑に進めていくために非常に重要な確認業務ですが、実際にはかなり難しいテクニックを要する仕事でもあります。日頃からコミュニケーションスキルと交渉力を磨いて、デキるビジネスパーソンを目指しましょう。