進学や就職、転勤など、春から一人暮らしをする予定がある人は、部屋探しのことを考えている時期かと思います。納得のいく部屋を見つけるために、特に大事なのが内見(下見)です。初めての部屋探しでは、どういったところをよく見たらいいのかわからないこともあります。そこで内見で見落としがちなチェックポイントをまとめました。

目に見えない音やニオイ、湿気などに気をつけよう

内見をしたときに、室内の綺麗さや設備の有無、窓の位置など目に見えるところは誰もがチェックするところです。もちろん、そういった部分をしっかり見ておくことは当然大事ですが、見えない部分のチェックも忘れてはいけません。例えば、賃貸生活でご近所とのトラブルになりやすいのが音。内見では確認しにくい部分ですが、壁を軽く叩いてみることで音がどれくらい響くのか確認したり、可能であれば不動産会社や同行してくれた人に協力してもらい、別の部屋や玄関前、ベランダなどと電話をかけてみると、音がどれくらい外にもれるのか、判断する材料となります。

その他にも収納内のニオイや湿気、部屋の設備がきちんと稼働するかも確認してください。部屋にある収納はすべて開けて、ニオイをかいだり、触ってみたりしましょう。また、キッチンやトイレ、洗面所、バスルームの水を流してみたり、換気扇やエアコン、インターフォンも使ってみるといいでしょう。

ゴミ捨て場、ポスト、廊下など、部屋の外も忘れずに

内見というと、室内のことばかり気を取られがちですが、その建物全体をチェックしておくことも大切です。エントランスや廊下、ポスト、自転車置き場などの共用部分もしっかりと見ておきましょう。ゴミが散らかっていたり、設備が故障したまま放置されていたりするような物件は、住民のマナーが悪かったり、管理が行き届いていない可能性があります。ご近所トラブルは大きなストレスにもつながることがあるので、避けた方が安心です。

また、ゴミ捨てのルールやマナーもトラブルにつながりやすいことのひとつです。ゴミ捨て場の位置や曜日、時間、分別方法なども併せてチェックしておきましょう。自治体だけでなく、その物件独自のルールがある場合もあるので、内見時に聞いておくと安心です。

内見したら、部屋の写真を撮っておこう

内見をするときは、一度に何件もの物件を見ることが多いのではないかと思います。立て続けに見ているうちに、どれがどの部屋のことなのか、記憶が曖昧になってしまうことがあります。内見をしたら、部屋全体と気に入ったところや気になったところなどの写真を撮っておくことをおすすめします。「私はそんなことはない!」と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、人の記憶ほど頼りにならないものはありません。写真に撮っておけば、迷ったときの比較検討の材料にもなりますし、部屋を決めたあとも家具や家電を買ったり、インテリアを考えるときの参考にもなります。

暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー:河野真希
ウェブや雑誌など各種メディアで、料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを目指すライフスタイルを提案。著書に『ひとり暮らしの季節ごよみ』(祥伝社)、監修本に『家事のお手本-大人のたしなみ賢いくらし』(泉書房)『頑張らなくても素敵に暮らせる「夜だけ家事」で快適シンプル生活』(双葉社)などがある。
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