NEXCO東日本は3月20日、平成29年度「NEXCO東日本 新メニューコンテスト」決勝大会を開催する。高速道路の休憩施設にある42店舗が「地元食材をアレンジしたごちそうメニュー」をテーマに開発した新商品で頂点を競う同コンテスト。「NEXCO東日本 SA・PAグルメアンバサダー」としても活動する“もえあず”こともえのあずきさんや、四川飯店グループのオーナー・陳建一さんなど6人が審査委員を務める。
42店舗から勝ち上がった代表10店舗で頂点対決!
同コンテストは、地域の特徴・特色をいかした個性的で魅力のある店舗づくりを目指す同社の取り組み「サービスエリア・パーキングエリア(SA・PA)の『華づくり』」の一環として開催されている。12回目の開催となる今回は、見た目の華やかさを重視し、審査基準に“SNS映え”の項目を加えた。
価格は全て税込1,500円で統一し、1日の限定数を設けないというルールの中で、地元食材の魅力を引き出した個性的なメニューをいかに開発できるかが勝負のポイントとなる。コンテストに出品しているメニューは、2017年11月1日よりそれぞれのSA・PAにて販売を行っている。もえあずさんも、すでにいくつかのメニューは実食済みとのこと。気になるメニューを見つけた人はぜひ食べに伺ってみてほしい。
道央道の上り、輪厚(わっつ)PAからは、「新しい北の食と出会う道『山海の旅路 彩丼』」がエントリー。北海道ならではの豊富な魚介類と山の幸を凝縮した華やかな丼は、目も舌も大満足間違いなしの仕上がりに。シャキシャキした歯ごたえと上品な味わいの鮭ルイベや、増毛・羽幌沖で水揚げされた甘エビ、希少品種のじゃがいも「インカのめざめ」など、メニュー名通り新たな北の食に出会える逸品となっている。
東北道の上り、岩手山SAでは地元八幡平市の黒毛和牛・八幡平牛を使用した「ボヌール八幡平」が味わえる。同メニューのために調達した貴重な八幡平牛は、くどくない脂の旨みが絶妙。10日間かけて出来上がる特製のデミグラスソースとの相性も抜群だ。三陸産ホタテや岩手県産の野菜を重ねた魚介のミルフィーユも絶品。
同じく東北道の上り、長者原(ちょうじゃはら)SAは、和と洋の融合を意識した「伊達なcuisine 誉(だてなキュイジーヌほまれ)~政宗公の城下食彩探訪~」を出品。A5等級に格付けされた仙台牛と、鳴子温泉地区で誕生した“もちもち”食感の希少米「ゆきむすび」でつくる俵飯には、政宗も太鼓判を押すに違いない。「みやぎサーモン」のブイヤベースや、ずんだを使ったデザートもお見逃しなく。
東北道の上り、安達太良(あだたら)SAのオリジナルメニュー「うねめ『花籠御膳』」は、郡山市の「うねめ祭り」がモチーフ。繊細で優雅な肉質が特徴の郡山産黒毛和牛・うねめ牛でつくるスモークステーキは、香りと旨味がしっかりと閉じ込められている。特製ソースには、果実のような甘みの郡山ブランド認証野菜「御前人参」をチョイス。ドレッシングに至るまで、全て地元の食材を使用しているのだそう。付け合わせのゆで卵は太鼓風にカットし、ミニトマトとオリーブで提灯を表現するなど、細かな工夫にも注目だ。
引退を決意したシェフが悲願の決勝進出を果たした最後のメニュー「栃木おもてなし3段御膳」は、東北道下りの那須高原SAから栃木ブロックを勝ち抜いた。「那須鶏」は味噌で味付け、「那須野ヶ原牛」はタタキに、「ゆめポーク」は角煮に仕上げ、食材のおいしさを最大限に発揮している。バラエティ豊かな野菜料理に、すいとん入りのけんちん汁など、計9品がラインナップ。立体感のある斬新な盛り付けもインパクト抜群だ。
上信越道上りの横川SAがお届けする「軽井沢 霧の回廊」は、軽井沢特有の霧を抜けた先に広がる鮮やかな高原の緑がコンセプト。寿司桶のフタを開けると、ドライアイスの白い霧が。インスタのストーリー映えも抜群だ。緑豊かな環境で飼育された「上州もち豚」は、真空低温調理を行うことにより、肉の旨みとやわらかな食感を実現。山・緑・土・霧などの高原感を再現するため、何度も試作を重ねた末に誕生した力作となっている。そばのつけダレにオリーブオイルやチーズを用いるなど、軽井沢らしいスタイリッシュな一面も。
武将・真田幸村ゆかりの長野県・上田にほど近い、上信越道上りの東部湯の丸SA。ここでは、店内で手打ちした信州そばなど、長野全域の味が詰まった「ぐるっと信州よくばり御膳」が楽しめる。上質な脂が乗った長野県産「米豚」とさっぱりポン酢、香ばしく揚げた鮎とくるみ味噌など、組み合わせの妙が長野の名産をさらに輝かせる独自のラインナップ。上品な甘みの「市田柿」も、程よい酸味のヨーグルトと組み合わせることで新たな味わいに出会える。
関越道下りの上里SAでは、限られたお店にしか流通していない「姫豚」をメインに据えた「姫豚と深谷ねぎの地元ご馳走膳」が登場。「姫豚」の脂身の甘さと「深谷ねぎ」のしゃきしゃき感を、しゃぶしゃぶで思う存分堪能しよう。上里産小麦100%のうどんなど、随所にあふれる地元愛も感じられる。デザートのガトーショコラには地元「ヤマキ醸造」の豆腐を入れるなど、ヘルシーな心遣いも嬉しい。
茨城が誇る食の“極”を体感したい人は、常磐道上りの友部SAへ向かおう。「君への手紙~TOMOBE SA “FT.” M.STYLE~」というメニュー名に始まり、重ねると球体になるという器、水色の封筒に忍ばせたシェフ直筆の手紙など、数々のアイデアが込められた作品は、その味にもたくさんの工夫が。「つくば美豚」と「つくば鶏」の冷製前菜や、常陸牛をじっくり低温調理したローストビーフ丼、パスタに用いられるデュラムセモリナ粉を配合した「常陸秋そば」のつけ麺など、さまざまな角度から茨城グルメを体感できる。
武士がおにぎりを剣先(けんさん)に刺して焼いたと言われる伝統料理をアレンジした「けんさん焼き旬味セット」が食べられるのは、関越道上りの越後川口SA。甘みと香り豊かな「黒埼茶豆」と魚沼産コシヒカリの焼きおにぎりがマッチした、米どころならではのメニューが新潟ブロックの代表となった。焼きおにぎりには、食通も重宝する佐渡産焼きあごのダシをかけて絶品のダシ茶漬けに。食材のポテンシャルをしっかりと引き出している。
コンテスト決勝大会は一般公開されないものの、前述の通りこれらのメニューは全て各SA・PAにて現在も販売されており、販売期間は5月末までを予定している。「今しか食べられないメニューばかりなので、ぜひとも現地に訪れて、その土地のおいしいものを食べてください!」ともえあずさんも語っていたように、一般道から直接アクセスできる箇所もあるため、食事目当てで足を運ぶのもありだろう。各地のSA・PAに通い続けていれば、もえあずさんにも遭遇できるかもしれない。