英国のジャガー・ランドローバーはこのほど、ジュネーブモーターショー(スイスで3月6~18日開催)での一般公開に先駆け、ジャガー初のエレクトリック・パフォーマンスSUV「I-PACE」を世界初公開した。
「I-PACE」は、デザインとエンジニアリングを英国で行い、製造はパートナーシップを締結しているマグナ・シュタイヤーのオーストリア・グラーツ工場で行っている。今回の発表は、この製造工場から全世界に向けてライブ中継で実施された。
バッテリーは432パウチセルを用いた最先端の90kWhリチウムイオン・バッテリーを搭載。航続距離は480kmを実現している。DC急速充電では、40分で0%から80%までバッテリーを充電することができ、ACウォールボックスを用いて家庭で充電する場合は、10時間あまりで同じ状態まで充電できる。
電気モーターはジャガーが設計したものを2基搭載。各アクスルに配置し、コンパクト性を追求するためにドライブシャフトが電気モーターを貫通している。合計最高出力は400PSときわめてパワフル。0-100km/h加速はわずか4.8秒となっている。
エクステリアは、ジャガーのスーパーカー・コンセプトモデル「C-X75」からインスピレーションを得たクーペのような流線型のシルエットを特徴とする。空気抵抗係数はわずか0.29Cdとなっており、冷却と空力のバランスを最適化するため、冷却が必要なときにはグリルのアクティブ・ベーンを開き、不要になると閉じることで、ボンネット・スクープに必要な空気を流してスムーズなエアフローを作り出す。
車内のレイアウトは、キャブフォワード・デザインとEVパワートレインによって、ラージSUVに匹敵する空間を確保。リアのレッグルームは890mmで、トランスミッション・トンネルがないメリットを生かし、10.5リットルの便利なストレージ・コンパートメントを中央に備える。「I-PACE」は総寿命コストと残存価額の両面で高い競争力を持っており、個人ユーザーをはじめ、社用車としても最適であるという。